
『Flowers for Mrs Harris』とは
2016年にシェフィールド、2018年にチチェスター、2023年にロンドンで上演されたミュージカル。
原作はポール・ギャリコによる1958年の小説「ハリスおばさんパリへ行く」。
作詞・作曲はRichard Taylor、脚本はRachel Wagstaff。
今回は2023年のロンドン公演を観劇した。
演出はJonathan Gill。

あらすじ
夫に先立たれ、友人のヴァイオレットや隣人たちとの関係の中に細やかな幸せを見出すアイダ・ハリスは、ある日、オートクチュールに魅せられ、パリにあるディオールの本店に出向き、自身のドレスを作ろうと決意する。
パリへの旅費、ドレスの価格帯に驚きつつも、節約に節約を重ね、何とか費用を捻出する。
様々な困難に見舞われながら、アイダは周囲の人々に影響を与えながら、遂にドレスを手に入れるが…
キャスト
Ada Harris Jenna Russell
Albert/Marquis de Chassagne Hal Fowler
Violet/French Char Lady Annie Wensak
Bob/André Nathanael Campbell
Pamela/Natasha Charlotte Kennedy
Major/Monsieur Armand David McKechnie
Countess/Sybil Sullivan Pippa Winslow
Lady Dant/Madame Colbert Kelly Price

感想
元々、この枠ではバーミンガムで上演されていた、マット・ドイル主演のミュージカル『Sinatra』を観劇する予定でしたが、悪天候とストライキの影響で、ロンドンからバーミンガムへの鉄道が停止したため、やむを得ずキャンセルしました。
その代わりに選んだのが『Flowers for Mrs Harris』。
コロナ禍の最中、ライヴ配信されたChichesterでの同作品の公演を観ていましたが、今回は『Sunday in the Park with George』再演でトニー賞にノミネートされたこともあるジェナ・ラッセルが主演ということで、お友達にお勧めされ決断しました。
▼trailer
楽曲が多く、ほぼsung-throughに近いミュージカルでした。
HarrisとParisで韻を踏んだ小気味いいタイトルナンバーは帰り道に多くの方々が口ずさんでいました。
アイダ以外の登場人物は、ロンドンとパリで1人2役、それぞれ別の人物を演じ分けているのも特徴的。
特に対照的な人物像を演じ分けるPamelaとNatasha役が面白かったです。
sung-throughでありがちな冗長な感じがあまりなかったのは、ジェナ・ラッセルという人の持つ力によるのかなと思いました。
夢を叶えることよりも、夢を叶えるために行動したことで得た経験や人々との出会いこそがかけがえのない宝物なのだというメッセージがよく伝わってきました。
この点において、最近2022年に映画化されたものよりも原作小説に近くて、個人的には好みでした。
ブロードウェイではなかなかお目にかからない、地味だけれど演技で訴えかけるミュージカル小作品を観られてよかったです。
▼開演前

▼休憩中
