ミュージカルは終わらない Musicals won't be over.

舞台ミュージカルを中心とした、ミュージカル映画、演劇、オペラに関するブログ

『ガラスの動物園』2022.10.1.13:00@新国立劇場中劇場

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ガラスの動物園』とは

1944年初演のテネシー・ウィリアムズ作のプレイ。

今回はフランス国立オデオン劇場からの招聘公演で、フランス語で上演され、日本語と英語の字幕が舞台上に表示された。

演出はイヴォ・ヴァン・ホーヴェ。

あらすじ

有名なので割愛。(気になる方は戯曲を読んでください。)

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キャスト

アマンダ・ウィングフィールド   イザベル・ユペール

ローラ・ウィングフィールド   ジュスティーヌ・バシュレ

トム・ウィングフィールド   アントワーヌ・レナール

ジム・オコナー   シリル・ゲイユ

感想

2022年に観た舞台の中でベスト3に入る観劇体験だったので、記録に残しておきます。

ほぼTwitterに書いたので、そのコピペですが下に貼っておきます。

イヴォさん演出は2019年のブロードウェイでの『ウェスト・サイド・ストーリー』再演以来でした。

このWSSのイヴォ演出は映像を多用していたり、大幅に楽曲がカットされて短縮されていたりといった特徴が自分には響かなかったので、この『ガラスの動物園』も観に行くか迷ったのですが、テネシー・ウィリアムズの作品の中で1番好きなので行ってみました。

横に長い長方形の舞台空間で、もぐらの穴のような地下の部屋に家族が暮らしているのですが、その背景は毛足の長い絨毯のようなフサフサした素材でできています。

しばらくその背景を眺めていると、陰影がなんとなく人の顔のように見えてきます。

いや、シミュラクラ現象じゃないかとも思ったのですが、別の場所にも複数箇所で人の顔があり、やはりこれは意図的なものなのだと確信しました。

不在の父を暗示しているということは後で知りました。

この顔は途中で消されていましたが、それが何を意味していたのかはわかりませんでした。

WSSでみられたような映像を用いる手法よりも、こういったある意味アナログな演出の方が個人的には好きです。

ローラの身体的な障害は演じられておらず、それが斬新に感じられました。

学生時代に戯曲を読んだ時はトムがゲイということはあまり考えていませんでしたが、これは有名な話だったのですね。

帰り道、このバルバラの歌う「黒い鷲」と言う曲が頭から離れませんでした。

簡単ですが、備忘録として残しておきます。