『Guava Island(2019)』とは
チャイルディッシュ・ガンビーノの名でも活動するドナルド・グローヴァーの「This Is America」などがフィーチャーされている。
アマゾンプライムビデオで視聴できる。
監督はドナルド・グローヴァーのミュージックビデオの監督も務めたヒロ・ムライ。
あらすじ
珍しい青い蚕を使った養蚕業が盛んだったグアヴァ・アイランドに、ある日レッドがやってきて島一帯を牛耳るようになった。
デニとコフィはそのグアヴァ・アイランドで生まれ育った幼なじみであり、同棲する恋人同士。
音楽が大好きなデニはコフィに毎日のように歌を贈っていた。
いつかこの島を出ることを夢見ていたコフィに対し、デニは島を愛しこの地で生涯過ごしたいと願っていた。
デニは住民みんなが楽しめる音楽祭を企画していたが、レッドは従業員がそのために休むのではないかと危惧し、デニに音楽祭を取りやめるように忠告する。
そんなことができるのかとデニがレッドに尋ねると、レッドはデニのギターを粉々に壊してしまう。
同じ頃、コフィは妊娠していることをデニに言い出せずにいた。
結局、音楽祭は開催されるのだが・・・
キャスト
デニ ドナルド・グローヴァー
コフィ リアーナ
ヤーラ レティーシャ・ライト
レッド ノンソー・アノジー
感想
56分という短めの映画ですが、ストーリーがやや抽象的で奥深く、音楽を楽しむ映画というだけでなく、人権問題や銃暴力などについて考えさせられる作品でした。
▼trailerです
『Guava Island(2021)』@PrimeVideo カリブ海の島国を舞台にした音楽映画。音楽祭を開こうとする青年を@donaldglover が演じる。現代社会に対するプロテストソング「This Is America」など。鮮やかな南国の色彩とは対照的な結末が印象的。相手役は@rihanna 。監督はヒロ・ムライ。 pic.twitter.com/DHCAya9z7Z
— るん / Lune (@nyny1121) 2021年9月2日
ドナルド・グローヴァーはチャイルディッシュ・ガンビーノという別名でも音楽活動をしていて、2018年に発表した「This Is America」はグラミー賞を受賞しました。
この楽曲のMVを監督したのが本作のヒロ・ムライで、彼らは親交が深いようです。
ヒロ・ムライさんは日系アメリカ人で、お父様は作曲家の村井邦彦さんなんですね。知りませんでした。
「This Is America」のメッセージをより膨らませて映画にした、というような作品になっています。
撮影はキューバで行われ、夏らしい鮮やかな色合いや冒頭のポップなアニメーションが印象的ですが、これは後に出てくる無機質で閉塞感のある展開とは非常に対照的で、人の残酷さを強烈に印象づけています。
個人的にはリアーナの歌声を聴きたかったなと思いました。
最終的に人を亡くして悲しみの中にいながらも、ついに”自らの日”を手に入れた住民たちの表情はやや晴れやかで、御涙頂戴のありがちなラストに留まらないところが素晴らしいと思いました。