『ファニー・レディ(1975)』とは
1968年公開の『ファニー・ガール』の続編だが、『ファニー・ガール』と異なり元となる舞台ミュージカルはない。
『ファニー・ガール』ではファニー・ブライスがニッキー・アーンスタインとの関係を描いており、本作ではその後日談と作曲家ビリー・ローズとの関係を描いている。
ビリー・ローズが手がけた「It's Only a Papermoon」「Me and My Shadow」なども使われながら、オリジナル曲として作詞フレッド・エッブ、作曲ジョン・カンダーのコンビが手がけた。
監督はハーバート・ロス。
あらすじ
喜劇女優として一世を風靡しているファニーと夫ニッキーとの仲は疎遠になっていたが、ファニーのニッキーへの想いは終わっていなかった。
そんなある日、舞台後にニッキーから離婚通知が届く。
同じ頃、ファニーは新人作曲家のビリー・ローズと出会う。
ビリーの手がける新作の舞台を手助けすることで2人の関係は始まっていく。
キャスト
ファニー・ブライス バーブラ・ストライサンド
ビリー・ローズ ジェームズ・カーン
ニッキー・アーンスタイン オマル・シャリーフ
バート・ロビンス ベン・ヴェリーン
ノーマ・バトラー キャロル・ウェルズ
感想
『ファニー・ガール』の続編として作られた本作。
バーブラ・ストライサンド、オマル・シャリーフはそのままに、監督、音楽担当などは一新され製作されています。
前作とはまた違った、円熟味を帯びたバーブラのパフォーマンスを堪能することができます。
オマル・シャリーフはかなり老けたなという印象ですが、乗馬シーンなど元気な姿を見せてくれています。
ファニーの新たな結婚相手となるビリー役のジェームズ・カーンはチャーミングな年下作曲家を演じていました。
また、キャストの中で気になったのが、ブロードウェイミュージカル『ピピン』のオリジナルキャストでリーディングプレイヤーを演じたBen Vereenです。
彼の出演シーンは、『ピピン』も彷彿とさせる例のハンドもあり、とてもカラフルで楽しかったです。
Funny Lady- Clap Hands, Here Comes Charlie
「Don't Rain On My Parade」や「People」といった名曲にあふれた前作に引き続こうという、作曲家たちの意気込みは感じられますが、残念ながらそれらに匹敵する楽曲はありませんでした。
カンダーとエッブのコンビだったので音楽には期待していたのですが、やや残念でした。
全体的に意気込み過ぎで、それぞれのショーシーンは大掛かりなのですが、全体として冗長で調和がない印象を受けました。