ミュージカルは終わらない Musicals won't be over.

舞台ミュージカルを中心とした、ミュージカル映画、演劇、オペラに関するブログ

『Ragtime』 2009年11月 ★★★★☆

今日は、『ラグタイム』について。

 

ラグタイムは、音楽ジャンルのひとつの呼び名です。
アメリカ発祥の、黒人音楽に由来するジャンルで、ブルースの香りのする明るい曲が多くあります。
ご存知ない方でも、ディズニーランドのワールドバザールなどで流れているBGMと言えば、想像がつくのではないでしょうか。
私はずっとラグタイムが大好きで、ピアノでたまに弾きます。
個人的なおすすめ曲は、「Entertainer」「Pinapple Rag」「Maple Leaf Rag」「Elite Syncopators」などです。
これらの曲は全て、「king of ragtime」と呼ばれたScott Joplinという一人の天才によって書かれたんですよ。
すごいですよね(^^)
↓代表的なラグタイム「Easy Winners」

Easy Winner played by Scott Joplin



さて、このミュージカル『ラグタイム』は、リバイバルです。
初演は、1998年。約10年来の再演ということになりました。
初演の時は、2年ものロングランを記録し、評価も高かったのですが、
トニーでは『ライオンキング』に押され気味だったようで、2部門受賞に留まりました。
実は、今回のリバイバル版、10月頃からランしていたのですが、
つい先日の2010年1月10日に閉幕してしまったのです(T_T)
登場人物がとっても多いので、コスト効率はそもそも悪い舞台なのですが、
もっとどうにか頑張ってランしてほしかったです…


お話は、ニューヨークに住むWASP家族、黒人家族、ユダヤ系移民家族の、3種類の家族の生き様を通して、アメリカの歴史の変遷を見つめる、というようなものが主旨。
ラグタイム」という音楽は、19世紀末~20世紀初頭にアメリカで流行したので、作品中では、ちょうどそのころのアメリカを描いています。
原作は、同名小説。


この観劇日の数週間前から、色々な作品の抽選lotteryに参戦していたのですが、連日連敗でことごとく敗れていたんです。
あ、この抽選というのは、格安当日券lottery ticketsのための抽選で、
かなり多くのブロードウェイの作品では毎公演こうした抽選会が開かれ、
通常100ドル以上は軽くする1階最前列席を約$26という破格の価格で購入できるものです。(公演によって少しずつ価格は異なる)
この日も、学校の友達と一緒にダメ元で参戦。
すると、なんとこの日は2人とも当たってしまったのです!
1枚で2人分買えるので、1枚は他の方にお譲りしました。
抽選会は、作品ごとに雰囲気が違って、『ラグタイム』の抽選会は、どことなく和みムード。
観光客の人が少なかったせいか、緊張感が全くなしでした。
誰か当たるたびに、「hooo!」とか「yeeaahh!」とか歓声がすごかったです(^u^)


会場は、Niel Simon Theater。前年に初めて観たブロードウェイミュージカル『ヘアスプレー』と同じ劇場でした。
lottery ticketを買えた時点で、かなりテンション上がっていたんですが、
最前列に座って、オケピを目の前にした時は、まだ幕が上がってないのに感動☆
よーく考えてみたら、日本・海外通じて、観劇史上初の1階最前列席だったんですね!!
本当に開演直前まで「ガム持ってる?…サンキュ」みたいなオケの人たちの会話が聞こえてきて、面白かったなぁ。


そして開幕。。。



オープニングから鳥肌ものです(>_<)
経済的な理由もあるけれど、舞台全体を観たいという理由で、日本だと2階席後方からの観劇が殆どなので、
役者さんの唾が飛んできそうなほどの近さに、とても驚き感動しました。
(実は、文字通り、本当に唾が飛んできたんですけどね笑)


とにかく、登場人物の多いこと!!
上の動画にあるプロローグのタイトル曲など、カンパニー全員で歌うナンバーの迫力は、かなりのものでした。
ストーリーは、黒人家族があまりに悲劇的に、白人家族が「良い人の鏡」みたいに描かれていたのが、なんだかなぁという感じでしたけれど。
とはいえ、黒人家族の母サラが自分の赤ん坊を見ながら歌う「Your Daddy's Son」(↓の動画)は感動的でした。
登場人物が多いけれど、それほどグダグダ感はなく、それぞれのキャラクターがよく描かれていたように感じました。


代表的なナンバー↓

Your Daddy's Son - Ragtime