ミュージカルは終わらない Musicals won't be over.

舞台ミュージカルを中心とした、ミュージカル映画、演劇、オペラに関するブログ

『RENT』 2008年12月 ★★★★★ 東宝

  No Day But Today


待ちに待った、『RENT』に行ってきました。
シアタークリエに入るのは初めてだったので、劇場を見るという点でもとても楽しみだったんですが、日本語で語られる『RENT』を受け入れられるかどうか、不安でもあり楽しみでもあり…という心境でした。
モーリーンのライブとか、ラ・ヴィ・ボエームとか、どうなっちゃうの(?_?)と。

 

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【演出・舞台装置】
・オケ…ではなくて、バンドについて
 バンドは、ボックスはなくて、ステージの左奥にいました。
もやというか霧で隠れたり、Life Supportの場では、患者たちと同じ高さになるのを避けるために、身をかがめたり椅子から下りて演奏されていたため、特に気になることなく、舞台の世界に集中できました。

 

・アパートの部屋、階段に続く扉・・・
 大きな舞台装置といしては、アパートの一室が舞台中央からやや右にありました。
舞台後壁には階段があって、それに続く扉が高い位置にありました。
これは、ダンサーのミミの登場であったり、エンジェルの旅立ちであったり、いろいろな使われ方をされていました。
舞台上手・下手の両側には、公衆電話が常時備え付けてありました。
マーク、ロジャー、ミミなどの母親は、舞台左右の高い位置で電話していました。
また、思い出したら、書き足します。


【全体を通して】★★★★★
予想をはるかに凌駕する仕上がりの舞台だったので、個人的には大満足でした。
まず、キャストさんが、RENTの歌を‘ちゃんと’歌える方々だったことが大きかったです。
実際、伴奏が大きすぎて、歌詞を聞き取ることは困難でしたが、歌から伝わってくるパワーを感じられただけで、もう私は十分でした。
もはや、冒頭のタイトル曲RENTで、私は思わず立ち上がりそうになっちゃいましたしw
今回の俳優さんは、純粋にオーディションで役を勝ち取られた方だからか、その自信みたいなものに溢れている感じがしました。
ものすごくパワーをもらいました。
Wキャストの日程をよく見ないで予約したんですが、今回のキャスト編成はとても良かったです。
森山未來クンは、ダンスだけではなくて、演技も歌も、言うまでもないかもしれないけれど、素晴らしかったです。
1幕最後の「ラ・ヴィ・ボエーム」で最後照明が消える直前に、体を大きく反ったジャンプ(ほとんど足に手がつきそう!)をしていて、「ヒェー」と叫びそうになりましたねw(@o@)w
Mizrockさんのモーリーン、これも予想していたのより全く良くて、ライブの場の乗せかたも上手かったです。

 

次に、ジョナサン・ラーソンの音楽の良さ。
生で聴くと、やっぱり、ひしひしと伝わってきました。
全体はロック調だけれど、タンゴなど、いろいろな曲調が入り交ざっていて、不思議と全然飽きない。
(今回は日本語だったけれど、)英語の歌詞と音楽の絡みも奇跡的に凄いし。
ちょっとは、RENTHEADSの気持ちも分かった気がします。

 

あと、HIV
この作品の時代と、現在とは、HIVに対する社会の対応が全然違うけれど、残念ながら、そんな現代でさえHIV感染者数が増加してしまっているんですよね。。。
日本も先進国でありながら、増加傾向にありますし。
そういう意味でも、今でもなお社会に対して強いメッセージを発し続けているこの作品は、これからも上演され続けてほしいです。
再演熱望。


【キャスト】
マーク・コーエン…森山未來
ロジャー・デイビス…Ryohei
トム・コリンズ…米倉利紀
ミミ・マルケス…Jennifer Peri
エンジェル・シュナール…辛源
ジョアンヌ・ジェファーソン…Shiho
モーリーン・ジョンソン…Mizrock
ベンジャミン・コフィン3世(ベニー)…白川侑二朗
ミスター・ジェファーソン、他…安崎求
ミセス・コーエン、他…Eliana
Seasons of Love ソリスト、他…Junear
ゴードン、他…彼方リキト
アレクシー・ダーリン、他…中村桃花
ティーブ、他…戸室政勝
ミセス・ジェファーソン、他…YOKO
スウィング…高良舞子、田村雄一

 

【基本データ】
会場:シアタークリエ
入場料:12000円(S席)
上演時間:2時間40分(休憩20分)

 

演出:エリカ・シュミット