『Tina: The Tina Turner Musical』とは
ティナ・ターナーの半生を彼女の楽曲で綴ったジュークボックスミュージカル。
2018年ウェストエンドで初演し、オリヴィエ賞3部門にノミネートされ1部門で受賞した。
その後、2019年ブロードウェイにトランスファーした。
タイトルロールはウェストエンドに引き続き、ブロードウェイでもAdrienne Warrenが演じている。
演出はPhyllida LLoyd。
あらすじ
テネシーに生まれたアナメイは地元の教会の聖歌隊ではよく知られた歌い手だった。
祖母によって育てられた彼女は後にセントルイスに移り、そこでアイク・ターナーとそのバンド仲間に出会う。
アナメイを気に入ったアイクは彼女に「ティナ・ターナー」という名前を与え、アナメイはティナとしてバンドで歌い始める。
バンド活動を楽しむティナだったが、アイクの気持ちに気づきつつも、ひそかにバンドメンバーのレイモンドと関係を持つ。
アイクはティナにプロポーズし、ティナはレイモンドの子どもを妊娠しながらもアイクのプロポーズを受けてしまう。
結婚後、感情の起伏の激しいアイクはティナは彼女の子どもにも手をあげるようになり、ティナは薬物に溺れるようになる。
キャスト
Tina Kayla Davion 『White Girl in Danger』
Ike Daniel J. Watts
Zelma Dawmm Lewis
Gran Georgeanna Myra Lucretia Taylor
Phil Spector, Terry Britten, 1st Police Officer, Suit #1 Steven Booth
Raymond Gerald Caesar
Ikette #1 Destinee Rea 『Hercules』
Ikette #2 Allysa Shorte
Ikette #3 Holli' Conway
Ikette #4 NaTonia Monet
Roger Davies Charlie Franklin
Craig Matthew Griffin
Richard Bullock David Jennings
Erwin Bach Ross Lekites
Young Alline Gloria Manning
Ronnie Jhardon DiShon Milton
Alline NaTonia Monet
Rhonda Jessica Rush
感想
ティナ・ターナーという名前だけは聞いたこともあったものの、彼女がどのような歌を歌っていたのか、この作品を観るまで全く知らなかったです。
ちょうど水曜日のマチネで、『Mean Girls』かこの作品か、どちらにしようか迷ったのですが、せっかくなら新作にしようとこちらを選びました。
lottery ticketがあったのでインターネットで参戦し無事当選。
確か40ドルくらいで、orchestra 6列目くらいの partial viewなしの席で観劇できました。
▼original castのAdrienne Warrenによるperformanceです。
▼観劇直後の感想
『Tina - The Tina Turner Musical』lotteryが当たり、マチネを観劇。Tina Turnerの人生を彼女の音楽で綴るジュークボックスミュージカル。パワフルな歌声とダンスに圧倒される。ラストはライヴ会場と化して大盛り上がり。そこまで期待していなかったがunderstudyのKayla Davionも良かった。席も満足。 pic.twitter.com/qoGXvuWPQT
— るん / Lune (@nyny1121) 2020年2月26日
Tina役のunderstudyは2人いる。水曜と土曜のマチネ公演はunderstudyが演じることになっている。ソワレ公演は基本的にAdrienneが演じるが、ソワレ公演のためのunderstudyがもう1人いる。
— るん / Lune (@nyny1121) 2020年2月27日
これには納得。この歌い方を毎日ずっとやっていたら喉がつぶれちゃう。そのくらいのshoutingだった。
せっかくならオリキャスのAdrienne Warrenで観たかったのですが、枠の都合上、仕方なく3番手のティナ役の方の回。
それであっても素晴らしいperformanceで、ティナは何度もシャウトするので、understudyが2人いるのは納得だなと思いました。
ほとんど知らない曲でしたが、一部「Proud Mary」など聞き馴染みのある楽曲もありました。
ティナ世代の女性たちはその場で身体を揺らしながら思いっきり乗っていて、まるでライヴ会場にいるかのような熱狂ぶりでした。
もちろん物語には悪役は欠かせないわけですが、やはりDVのシーンはただただつらかったです。
演技と分かっていてもアイクの演技には狂気を感じました。
無名の自身を引き抜いてくれた恩義もあったでしょうし、ティナは仕事の関係でどうしてもアイクと別れられなかったのでしょうが。
田舎の聖歌隊の歌手から成り上がったティナ・ターナーはアメリカンドリームの化身であり、多くの憧れの的ですが、彼女の生まれ育った環境もそうでしたし、なかなか幸せな家庭とは縁遠い人生を歩んでこられた方なのだなと、そういった苦労を乗り越えたからこそ出せたシャウティングなんだなと思いました。
ドロドロのドラマの中、唯一子役ちゃんだけが癒しでしたし、子役と言えどその歌声に度肝を抜かれました。