『艦隊は踊る』とは
1955年のMGMによるミュージカル映画。
1927年ブロードウェイ初演の同名の舞台ミュージカルを基にしており、この原作はHubert Osborneの戯曲「Shore Leave」。
「Shore Leave」は『艦隊を追って(1936)』の原作にもなったが、あらすじは全く異なる。
作曲はヴィンセント・ユーマンス。
監督はロイ・ローランド。
あらすじ
海軍兵のダニーとリコは訓練中にウィリアムと親しくなる。
2日間サンフランシスコに帰港した際、ウィリアムは恋人のジンジャーに会いにいくが、6年もつきあって婚約もしないウィリアムにジンジャーは愛想をつかしていた。
リコは家に帰ると、母親の恋人ペローニと出くわすが、リコほど大きな息子がいるとは知らなかったペローニは驚いて立ち去る。
海軍の一族であるダニーは、家に着いても父親とは海軍式の挨拶をするが、妹のスーザンとは気をつかわずに過ごすが、スーザンがウェンドルとデートすることを知る。
気になったダニーはウェンドルが手がけるショー『Hit the Deck』のリハーサルを訪れ、そこで女優キャロルに魅せられるが、そのキャロルからウェンドルがいかに女たらしであるかを教えられる。
ダニーはウィリアムやリコを連れて、ウェンドルの滞在しているホテルに押し掛け、乱闘の末スーザンを救い出すが、憤慨したウェンドルは3人を訴えようとする。
キャスト
スーザン・スミス ジェーン・パウエル
ウィリアム・F・クラーク トニー・マーティン
キャロル・ペース デビー・レイノルズ
ダニエル・スミス ウォルター・ピジョン
ウェンドル・クレイグ ジーン・レイモンド
ジンジャー アン・ミラー
ダニー・スミス ラス・タンブリン
ペロー二氏 J・カロル・ネイシュ
フェラーリ夫人 ケイ・アーメン
感想
ミュージカルシーンの構成、音楽、振付など、それぞれが優れていて、ミュージカル映画の醍醐味が詰まった一作です。
▼traier
Hit The Deck (1955) Official Trailer - Debbie Reynolds, Walter Pidgeon Musical Movie HD
ミュージカルシーンの振付は、フレッド・アステアが出演した作品の振り付けを手掛けたことで知られるハーミズ・パンによるもので、非常に見事です。
そして、タップダンスの見事なアン・ミラー、雲雀のような歌声のジェーン・パウエル、とにかく軽やかで可愛らしいデビー・レイノルズと、MGMの名女優たちが一堂に会しています。
後に『ウェストサイド物語』でリフを演じることになるラス・タンブリンも出演していますが、彼のみ歌声はレックス・デニスによって吹き替えられています。
▼「A Kiss Or Two」
Hit The Deck (1955) – A Kiss Or Two - Debbie Reynolds
このシーンのデビーもとっても可愛らしいです。
赤と白を基調にした衣装や傘もよく似合っています。
▼「Hallelujah」
Hit The Deck (1955) – Hallelujah
この曲もヴィンセント・ユーマンスの代表曲となったナンバーですが、大人数のキャストによる群舞によってさらに華やかさが増しています。
ゴールドと水色の組み合わせも素敵です。
残念ながら、日本ではDVDが販売されていないので、アメリカ盤を購入する必要がありますが、黄金期のミュージカル映画好きであれば一見の価値ありです。