ミュージカルは終わらない Musicals won't be over.

ミューオタるんによる舞台ミュージカルを中心とした、ミュージカル映画、演劇、オペラに関するブログ

『Mack & Mabel』2020.2.22.14:00 @New York City Center

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『Mack & Mabel』とは

1974年にブロードウェイで初演されたミュージカル。

実在したハリウッドの映画監督マック・セネットと女優メーベル・ノーマンドをモデルにしている。

作詞・作曲はジェリー・ハーマン、脚本はマイケル・スチュアート。

初演時は、ロバート・プレストンバーナデット・ピータースが主演した。

今回はNew York City CenterのEncores!シリーズの一環で公演された。

今回の演出はJosh Rhodes。

あらすじ

サイレントからトーキーへ映画が変わろうとしていた1938年、それまでサイレント映画を得意としていたハリウッドの映画監督マック・セネットは状況の変化に戸惑っていた。 

時は遡り、1911年、マックはレストランでウェイトレスをしていたメイベルに初めて出会う。

メイベルの大袈裟な行動にマックは女優としての可能性を感じ、次回作に出演しないかと提案する。

かねてから演技に興味のあったメイベルは突然の申し出に躊躇しながらも承諾する。

メイベルの出演するコメディ作品は次々とヒットし、有名になり、マックの撮影スタジオもカリフォルニアの大きな場所に移る。

そんな中、メイベルはマックに恋していたが、マックは恋愛には興味はなかった。

メイベルは恋愛に消極的なマックを夕食に招待し、2人は一夜を共にするが、翌朝マックは自分の行動を後悔しながら帰路に着く。

次第にメイベルはコメディよりもシリアスなドラマ作品に出演したいと願うようになるが、マックの十八番はコメディだった。

そんな折、メイベルの要望を叶えてくれる映画監督ウィリアムに出会ったメイベルは古巣のスタジオを去り、マックと決別する決意をするが。

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キャスト

Eddie    Kevin Ligon

Mack Sennett    Douglas Sills

Lottie Ames    Lilli Cooper

Freddy    Evan Kasprzak

Andy    Raymond J. Lee

Frank    Ben Fankhauser

Ella    Janet Noh

Fatty Arbuckle    Major Attaway

Mabel Normand    Alexandra Socha

Mr. Kessel    Jordan Gelber

Mr. Bauman    Allen Lewis Rickman

William Desmond Taylor    Michael Berresse

感想

New York City CenterのEncores!のシリーズでは、旧作ミュージカルを数日間限定で再演するもので、なかなかオン・ブロードウェイの規模では再演されない作品が数十年の時を経て蘇ることが度々あります。

今回はジェリー・ハーマンの音楽が楽しい『Mack & Mabel』。

ジェリー・ハーマンといえば、昨年2019年に惜しまれながらこの世を去りましたが、『ラ・カージュ・オ・フォール』や『ハロー・ドーリー!』、『メイム』など、数々のブロードウェイ・ミュージカルを手掛けた作曲家でした。

彼の音楽の特徴は、一度聴いたら耳に残り、帰り道にハミングしたくなるようなキャッチーさではないかと思います。

それは本作にも言えることですが、楽しい音楽とは相反して、物語は悲劇的な結末であり、初演時はそれがあまり観客に受け入れられなかったことから、短命に終わったと指摘されています。

▼舞台映像


Encores! Mack & Mabel Highlights

▼観劇後の感想です。

上には書きませんでしたが、悲劇的な結末というのは、メイベルは薬物中毒になり、メイベルを引き抜いたウィリアムという映画監督は殺害され、メイベル自身がその殺人犯ではないかと疑いをかけられてしまうというものでした。

しかし、ミュージカルでは無理やり「ハッピーエンドをお約束します」とこじつけて終わり、やや腑に落ちませんでした。

マックを演じたダグラス・シルズのダンディな感じ、歌声が個人的に好みでした。

メイベルを演じたアレクサンドラ・ソチャも悪くはなかったのですが、やはりオリジナルキャストがバーナデット・ピーターズだったことから元々の期待値が高く、他の人選もありだったのではないかと思ってしまいました。

『ハロー・ドーリー!』などを思わせる陽気な群舞や場面展開は見事で、改めてこの時代の作品の素晴らしさを再認識しました。