『夜も昼も』とは
1946年公開のワーナーブラザーズによるミュージカル映画。
コール・ポーターの作曲家としての人生を描いている。
監督はマイケル・カーティス。
あらすじ
コール・ポーターはイェール大学法学部の学生だったが、法律には全く興味が向かず、密かにミュージカル作曲家を志していた。
そんな折、いとこを介して知り合ったリンダと恋に落ちる。
意気込んで臨んだニューヨークでの初公演は初日で閉幕という大失敗に終わり、落ち込むコールだったが、リンダらの励ましもあり、再び創作活動に勤しむ。
コールの音楽は洗練され過ぎていたため、以後、庶民にも親しみやすい音楽をつくるよう心がけるようになる。
やがて戦争が始まり、出兵先でも作曲を続けていたコールだったが、足を負傷する。
野戦病院でリンダと3年ぶりの再会を果たすが、コールはニューヨークでの活躍を目指すため2人は別れる。
その後、ヒット作を次々と飛ばし、作曲家として波に乗ったコールはリンダと再会し、結婚する。
しかし、結婚後も仕事ばかりで新婚旅行もできず、公私混同の生活にリンダは嫌気がさし、ヨーロッパに逃亡してしまう。
キャスト
リンダ・リー・ポーター アレクシス・スミス
ケイト・ポーター セリーナ・ロイル
オマー・コール ヘンリー・ステファンソン
ナンシー ドロシー・マローン
ガブリエル イヴ・アーデン
キャロル・ヒル グリニス・シムズ
メアリー・マーティン 本人
感想
コール・ポーターの人生を描いた伝記物です。
彼の初期の作品、例えばブロードウェイデビュー作である『See America First』の他、『Fifty Million Frenchmen』や『Paris』、『The New Yorkers』などのマイナーな作品からのワンシーンが観られる、稀有な作品です。
公開年からわかる通り、コール・ポーターの同性愛の側面は描かれていません。
夫人との別居の理由も生活のすれ違いということとして描かれています。
コール・ポーターを演じるケーリー・グラントがとてもかっこよく、好青年として描かれています。
▼trailerです。
劇中歌はタイトルにもある「Night and Day」をはじめ、「Begin the Beguine」、「Let's Do It, Let's Fall in Love」「Miss Otis Regrets」「What Is This Thing Called Love?」「You're the Top」「I Get a Kick Out of You」など、いずれも名曲ばかり。
特に「Begin the Beguine」はエキゾチックな雰囲気で最高。
ただこれらのナンバーが羅列されているだけではなく、もちろん架空ではありますがコール・ポーターの創作の過程も描かれているのがとても良かったです。
戦地や病院で孤独に作曲しているコールの姿が目に浮かびました。
また、ブロードウェイスターであったメアリー・マーティン Mary Martinが本人役で出演していることも注目すべき点です。
彼女は『南太平洋』のネリー役、『サウンド・オブ・ミュージック』のマリア役などをオリジナル・ブロードウェイ・キャストとして演じた方です。
ブロードウェイデビュー作がコール・ポーターの手掛けたミュージカル「Leave It to Me!」だった縁から出演したようです。