『Six』とは
2017年にエディンバラでプレミア公演され、2019年にウェストエンド、2020年2月にブロードウェイでプレビューが開始(初日は2020年3月)されたミュージカル。
一幕もの。
作曲・作詞・脚本はケンブリッジ大学の同級生同士であるToby MarlowとLucy Mossによる。
演出はLucy MossとJamie Armitage。
あらすじ
ヘンリーⅧ世の妻たち6人が、自分がどのような人生を歩んだか、どれほど愛されたか、競い合いながら歌うライブコンサートが開かれている。
キャサリン・オブ・アラゴン、アン・ブーリン、ジェーン・シーモア、アン・オブ・クレーヴズ、キャサリン・ハワード、キャサリン・パーの6人。
キャスト
Catherine of Aragon Adrianna Hicks
Anne Boleyn Andrea Macasaet
Jane Seymour Abby Mueller
Anna of Cleves Brittney Mack
Katherine Howard Samantha Pauly
Catherine Parr Anna Uzele
感想
ヘンリー8世の妻たち6人が集結し、それぞれの思いを歌い上げるロックなミュージカルでした。
ロンドンで大絶賛されていて、ぜひ観てみたいと思っていた作品でした。
遠征した時にはプレビューが始まったばかりでしたが、会場の熱気はミュージカルというよりライブ会場のようで、きらびやかな照明も合わさって観客のシャウティングが飛び交っていました。
▼オリヴィエ賞でのロンドンオリジナルキャストによるパフォーマンス
Six performance at the Olivier Awards 2019 with Mastercard
▼観劇後の感想です。
『Six』ヘンリー8世の6人の妻がそれぞれ彼との結婚について語り、誰が一番彼によって苦しんだか話が進む。ミュージカルだけどライヴのような照明や客席の活気。冒頭から何度もショーストップが起こった。ロック調の音楽がキャッチー。隣の子がメザニンきってのシャウターだったので眠気が吹き飛んだ。 pic.twitter.com/Pc0w3G9dON
— るん / Lune (@nyny1121) 2020年2月22日
通常のミュージカルと異なり、6人のキャストはそれぞれハンドマイクを握りしめて思いの丈を歌い上げるスタイル。
ハードでゴシックな印象の衣装(一見、甲冑のようにも見えるけれどよく見るとスカート)は鮮やかな照明を浴びて輝き、ロック調の曲調に合っていて、とてもかっこよかったです。
ミュージカルナンバーも一曲一曲が個性的で、非常に中毒性があります。
OBCRはドライブで聴く音楽の定番になりました。
まず一曲目の「Ex-wives」から心を掴まれます。
この曲の中にはグリーンスリーヴスの一節が引用されているのですが、初めて聞いた時、私は「イギリス民謡だから引用したのかな」と単純に思っていたのですが、実はグリーンスリーヴスの正式な作曲者は明らかになっておらず、一説には「リチャード8世が2番目の妻であるアン・ブーリンに宛てて書いた」というものがあります。
またグリーンスリーヴス(緑の袖)は性的に奔放な女性という意味合いもあり、それに関して言及している歌詞もあるので、後日この曲の和訳をしてみたいと思います。
6人それぞれキャラが立っていて、観るうちに観客それぞれ推しができるんだけど、私はコミックリリーフ的なアン・ブーリンがチャーミングで可笑しくて好きになった。playbillには妻たちそれぞれのプロフィールが事細かにまとまって書かれていたので、あとでじっくり読み直したい。
— るん / Lune (@nyny1121) 2020年2月22日
舞台セットはほぼないのですが、たった6人のキャストでここまで圧倒的なパワーをもらえる舞台は稀有なのではないかなと思いました。
若者から熱狂的な指示がある一方、劇評では辛口コメントが並びましたが、そんなものには負けずにさらにrunしていってほしいと願っています。
SDではAbbey Muellerに会えた🤍サインもいただけた。お姉さんのJessieも来週からonのplayのプレビューが始まるよね。姉妹でブロードウェイの舞台に立つって素敵💓
— るん / Lune (@nyny1121) 2020年2月22日
金曜だからか、SD付近に大勢が列を成していた。みんなこの寒い中、よく待つよね…私もだけど😅 pic.twitter.com/zb3Rc0Xq14
Abbey Muellerに会えたこともいい思い出になりました。
去年はお姉さんのJessie Muellerが来日した際にサインをもらったこともあり、何かとご縁があります。