『二人でお茶を(1950)』とは
作中に登場する『No, No, Nanette』は本作制作のきっかけとなった舞台ミュージカルだが、あらすじは大きく異なる。
監督はデヴィッド・バトラー。
あらすじ
ブロードウェイのプロデューサーのラリーは新作の舞台の資金繰りに四苦八苦していた。
そこで、元恋人で億万長者の叔父がいるナネットに、新作への出資と引き換えに作品の主演を約束する。
女優志望のナネットは主演ができると喜び、叔父に出資の件を相談するが、不景気であることから最初は拒否されるが、24時間の間に受けた質問全てに「No.」とナネットが答えるという条件付きで出資を約束する。
新作の練習の間、ナネットは作曲家でピアニストのジミーと恋に落ちるが。
キャスト
ナネット ドリス・デイ
ジミー ゴードン・マクレー
トミー ジーン・ネルソン
ポーリーン イヴ・アーデン
ウィリアム ビリー・ドゥ・ウォルフ
感想
朗らかなドリス・デイが輝く、黄金期のミュージカル映画でした。
スタンダード・ナンバー化しているタイトル曲「二人でお茶を」をモチーフに、ミュージカルにありがちな舞台裏を描いている作品。
ドリス・デイの相手役は、ミュージカル映画『回転木馬』や『オクラホマ!』などに主演したゴードン・マクレー。
本作でもその美声を披露しています。
彼もハワード・キールらと共に主に歌い手としてミュージカル映画を彩ってきた俳優のひとりですが、たくましさや男らしさが際立つハワード・キールに対して、ゴードン・マクレーはどちらかというとmellowで甘美な歌声で、ずっと聴いていたいという気持ちになります。
▼「I Know That You Know」
Tea For Two (1950) – I Know That You Know
わきを固めるダンサーたちのパフォーマンスも見応えがありました。
特に「Charleston」の階段でのダンスは高い身体能力がないとできないシーン。
▼「Charleston」
Tea For Two (1950) – Charleston
映画全体の構成としては親戚のおじさんが子どもたちに「パパとママはこうやって出会ったんだよ」となりそめを語る形になっています。
この時代の作品にありがちなことですが、お話は正直あってないようなもので、深く考えずに歌とダンスを楽しむ娯楽作として素晴らしく、最後まで堪能できました。
▼タイトルナンバーである「Tea For Two」
Tea For Two (1950) – Tea For Two