ミュージカルは終わらない Musicals won't be over.

舞台ミュージカルを中心とした、ミュージカル映画、演劇、オペラに関するブログ

『ONCE UPON A TIME IN AMERICA』2020.1.25.11:00 @宝塚大劇場

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『ONCE UPON A TIME IN AMERICA』とは

同名のアメリカ映画を基にし、宝塚歌劇団で制作されたミュージカル。

演出・脚本は小池修一郎

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あらすじ

1920年代のアメリカ、ニューヨーク。

マンハッタン島東南の場末、ローワー・イーストサイドには、19世紀末頃から政変のロシアや極貧の東欧からアメリカへと渡った多くのユダヤ人が移住していた。

誰もが新大陸アメリカの地で成功を夢見ていたが、ローワー・イーストサイドのユダヤ移民にとって現実は厳しいものだった。

ユダヤ移民の子である、デイヴィッド・ヌードルス・アーロンソンは、幼い頃から裏社会で自らの手を汚し暮らしていた。

マックス、コックアイ、パッツィー、ドミニクら信頼する仲間同士寄り添い、非合法の世界に根を下ろす。

彼らが生きていく術はそれしかなかったのだ。

ヌードルスには恋い焦がれる少女がいた。

仲間うちでただ一人、正業に就き親のダイナーを手伝っているファット・モーの妹でボラだ。

「この土地を離れ、何としても陽の当たる場所へと抜け出し成功者となる」

ヌードルスと女優志願のデボラは、互いの夢を語り合い、自分たちの未来の姿に思いを馳せる。

時は禁酒法時代の真っただ中。

アメリカ中に密造酒が溢れ、ヌードルスたちは運び屋として大いに儲けることとなった。

彼らはマックスの提案で稼いだ金を共有財産としてトランクに詰め、駅のロッカーに閉まっておくことにする。

一歩ずつ、彼らのチャンスは広がっているかに見えたが、ある日、敵対する街のギャングとの抗争でドミニクが頃され、怒りに震えたヌードルスは相手と、間に割って入った巡査を刺し殺してしまう。

その場で警官に捕り押さえられたヌードルスは、罪を償うこととなる。

1929年、ウォール街の株の大暴落でバブルはあっけなく弾けてしまった。

そんな中、7年余りの刑期を終えヌードルスが戻ってきた。

ヌードルス不在の間もマックスを中心に結束した仲間たちは、したたかに時代を生き抜いている。

マックスは暗黒街の若き顔役の一人となり、スピークイージー(潜り酒場)を経営。

店のショーガールであるキャロルを恋人に持ち、彼の野心は膨らむばかりだ。

ヌードルスは、案内されたマックスの店で、夢にまでその面影を追い続けた、デボラと再会を果たす。

今や彼女はマンハッタンの摩天楼の最上階にあるヴァンダービルド・フォリーズ劇場のスターとして活躍していた。

ヌードルスとの再会を喜ぶデボラに、これからはかつて語り合った夢を共に見ようと告げるヌードルス

デボラは、裏街道に身を置くマックスたちの仲間には入らないで欲しいと彼に頼むのだった。

だが、自分の帰りを待ってくれていた仲間を裏切ることはヌードルスにはできなかった。

アポカリプスの四騎士と呼ばれるようになったヌードルスたちは次々と危険な仕事を引き受け、全米運送者組合に属するジミーの依頼で頻発する労働争議にも介入し、大金を手にしていく。

たとえデボラに拒まれても思いを遂げたいと願うヌードルスは、ある時、彼女を海辺のレストランに誘う。

そして、最上級のもてなしでデボラへの深い愛を語り始めるのだが。

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キャスト

デイヴィッド・ヌードルス・アーロンソン(ヌードルス) 望海風斗

デボラ 真彩希帆

マックス 彩風咲奈

ファット・モー 奏乃はると

アン 千風カレン

ジミー 彩凪翔

コックアイ 真那春人

サム 煌羽レオ

キャロル 朝美絢

ニック 綾凰華

パッツィー 縣千

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感想

望海風斗さん率いる雪組によるミュージカルですが、例の如くなかなかチケットが取れず、なんとか宝塚大劇場での公演を1枚確保し、勇んで行ってきました。

しかも初めての宝塚大劇場

本作は、かの有名な映画を基につくられた宝塚オリジナルミュージカル作品。

作品制作発表後、amazon primeで原作の映画を観たのだけれど、暴力的なシーンが多すぎて途中で観るのをやめてしまったので、原作との比較はできませんでした。

▼初日舞台映像


【宝塚雪組】ミュージカル 「ONCE UPON A TIME IN AMERICA」 初日映像が到着!

▼観劇後の感想です。

上記の通り、本作でも望海さんの圧倒的なperformanceに魅了されました。

全体の構成では、ヌードルスを中心としてはいますが、多種多様な人々が時代に翻弄される様子が描かれた群像劇となっていました。

ミュージカルではありましたが、楽曲はキャッチーなものはありませんでした。

しかし、望海さんと真彩さんお2人の歌唱力が圧倒的なので、その楽曲の拙劣さが補われているという印象。

衣装は特に娘役のドレスは後方席からもものの良さがよくわかりました。

特に真彩さんは何度もある衣装替えのたびに目を見張るドレスを着こなしていました。

デボラを求めるヌードルスは、最終的に思っていたかたちではないけれど彼女に再会できましたが、悲劇の演目が多い望海さんの舞台では珍しく、微かな希望を感じられる作品となっていて、ファンとしては嬉しかったです。

先日宝塚歌劇団からの卒業を発表した望海さんですが、個人的には退団後もずっと、どのような表現者として成長されるのか、応援し続けたいお方です。

これから数ヶ月、彼女の男役としての有終の美を目に焼きつけたいと思います。

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