『アンナ(1967)』とは
1967年のフランスのミュージカル映画。
日本では1998年に初めて劇場公開され、2019年よりデジタルリマスター版が日本各地で上映されている。
ミュージカルナンバーは、本作に出演もしているセルジュ・ゲンズブールが手掛けている。
監督はピエール・コラルニック。
あらすじ
田舎からパリにやってきた女の子、アンナ。
広告代理店の社長セルジュは、駅の構内で撮影したポスターに映り込んだ彼女に恋をしてしまう。
近くにいるアンナに全く気づかず、ありあまる資金を使ってパリ中を探し回るセルジュ。
そんな彼の思いに気づいたアンナだったが…
キャスト
アンナ アンナ・カリーナ
セルジュ ジャン=クロード・ブリアリ
セルジュの友人 セルジュ・ゲンズブール
パーティーに現れる女性 マリアンヌ・フェイスフル
感想
フランスのミュージカル映画『アンナ』デジタルリマスター版を、シネマテークたかさきで観てきました。
▼trailer
▼鑑賞後の感想
映画『アンナ(1966年)』デジタルリマスター版@anna2019japan アンナ・カリーナ主演のフランスのミュージカル映画。衣装デザイン、色づかい、ダンス、音楽。いずれもアバンギャルドで新鮮だった。孤独を抱えアンニュイな雰囲気のアンナの表情の変化に魅了された。お洒落。そしてちょっぴり切ない。 pic.twitter.com/7qd01wldlY
— るん / Lune (@nyny1121) 2020年2月2日
ボソボソっと呟くような歌唱法(専門用語で何というのでしょうか)で、台詞の延長にやや節をつけたという印象のナンバーの数々に、フランスらしさを感じました。
冒頭からアヴァンギャルドで、一見すると理解不明な動きをした人々が登場し、数分後、あれはダンスの一種だったのだと気づきました。
同時期のハリウッドのミュージカル映画だと『ウエストサイド物語』などでしょうか。
アメリカ産のそれらとは全く違う趣きのミュージカル作品でした。
田舎から出てきたアンナが電車から降りた時、偶然眼鏡が外れた瞬間を写真に撮られ、それを見たセルジュが写真の中のアンナに恋をするというお話。
タイトルロールを演じるのはアンナ・カリーナさんという女優さんで、私はこの作品を観るまで存じ上げませんでしたが、ゴダール作品に多数出演された方だそうです。
しかし、本作ではそんな大御所の雰囲気を全く感じさせず、素朴な雰囲気の眼鏡っ子を演じています。
代表曲は、アンナが歌う「Sous Le Soleil Exactment」でしょうか。
日本語に訳すと「太陽の真下で」。
Anna Karina "Sous le soleil exactement" | Archive INA
アンナの衣装は、いま見ても斬新で、とても新鮮に感じられます。
スケルトンの雨合羽のようなコートは特に印象的でした。
衣装やアンニュイでオシャレな雰囲気を楽しむ映画としてはいいのかもしれませんが、ストーリーラインとの相乗効果をもたらす音楽やダンスはないので、ミュージカル映画としては物足りないと感じました。