ミュージカルは終わらない Musicals won't be over.

舞台ミュージカルを中心とした、ミュージカル映画、演劇、オペラに関するブログ

『ラヴズ・レイバーズ・ロスト』2019.10.19.17:30 @シアタークリエ

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『ラヴズ・レイバーズ・ロスト』とは

2013年夏、パブリックシアターによるセントラルパークでの無料公演の一環として上演されたミュージカル。

シェイクスピア作「恋の骨折り損」を基にしている。

楽曲はマイケル・フリードマン、脚本はアレックス・ティンバースによる。

演出は上田一豪。

あらすじ

ピレネー山脈西部に位置するナヴァール王国で、大学卒業5周年のパーティーが行われている。

国王ファーディナンドは同窓生のビローン、デュメーン、ロンガヴィルとともに、これから3年間は恋愛禁止、ひたすら勉学に身を捧げるという誓いを立てる。

そこにフランス王女とその親友ロザライン、キャサリン、マライアがやってくる。

王女は病身の父の代理で、ナヴァール王国との領地交渉を任されて来たのだ。

誓いを立てた以上、女子と接触するわけにはいかないと、王女らの訪問を拒絶しようとする国王たち。

だが、互いに顔を見合わせた彼らは息を呑む。

実は、それぞれが大学時代に淡い恋心を抱き合った相手同士だったのだ。

一方、国王の同窓生の一人アーマードは、バーのメイドであるジャケネッタへのラブレターをしたためる。

そしてこのラブレターが、国王と旧友たち、フランス王女と親友たちの禁断の恋に火をつけることに。 

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キャスト

ビローン 村井良大

ロザライン 沙央くらま

デュメーン 渡辺大

ロンガヴィル 入野自由

アーマード 大山真志

フランス王女 中別府葵

ジャケネッタ 田村芽実

キャサリン 伊波杏樹

マライア 樋口日奈

ダル 加藤潤一

モス 石川新太

ボイエット 一色洋平

コスタード 遠山裕介

ナサニエル ひのあらた

ホロファニーズ 木村花代

ファーディナンド 三浦涼介

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感想

遅くなってしまいましたが、記録として残しておきたいので書きます。

シェイクスピアの「恋の骨折り損」をミュージカル化した作品で、同作品をミュージカル映画化した映画もありますが、こちらとは楽曲や趣が異なります。

キャストと客席の絡みもあり、シェイクスピア作品ではありますが、全体的にポップな仕上がりになっていました。

ゲネプロの様子。


村井良大さん、沙央くらまさん、三浦涼介さんらの歌声が明るく響く。ミュージカル『ラヴズ・レイバーズ・ロスト-恋の骨折り損-』のゲネプロ(公開舞台稽古)

▼観劇後の感想です。

宝塚歌劇団雪組男役の沙央くらまさんの退団後初のミュージカル出演でもありました。

宝塚の観劇歴の浅い私ですが、望海さんの出演舞台を通して拝見させていただいていました。

今回の役柄では今までのイメージからは一転、可愛らしい女性役を演じられていました。

村井良大さん、三浦涼介さんなどの男性陣はお久しぶりでしたが、女性陣の方は全く分からず、ミュージカル初挑戦という方ばかりでうーんという印象。

 唯一、田村芽実ちゃんは今までの天真爛漫な役柄とはかけ離れた大人っぽい女性像で、新鮮でしたね。

 

舞台全体の感想ですが、少々大仰な演技ややや下品な台詞回し、特にアーマードのくだりあたりは、個人的に受け入れづらく、あまり笑うことができませんでした。

真面目なシェイクスピアをポップにしたかったのでしょうが、日本語であのギャグはきついかなと思いました。

また、登場人数が多く、まとまりがなく、特に女子のキャラ立ちが不完全な印象でした。

ただ、客席を巻き込んで楽しもうという雰囲気や製作陣の心意気は良かったと思います。

また、今回観劇した理由の一つに、作曲者のマイケル・フリードマンの作品を観たかったからというものがありました。

彼は2017年に41歳の若さで亡くなってしまいましたが、多くの作品を残していて、ニューヨークでもこれから彼の作品を上演していこうという動きがあります。

今年の3月にも彼の作品をオフブロードウェイで観る予定なので、今から楽しみです。