『ジュディ 虹の彼方に(2019)』とは
2019年に公開された、晩年近くのジュディ・ガーランドを描いた伝記映画。
2005年初演のピーター・キルター作の舞台『エンド・オブ・ザ・レインボー』を基にしている。
監督はルパート・グールド。
あらすじ
少女とは思えない歌唱力で数々のミュージカル映画で活躍してきたジュディ・ガーランド。
しかし、10代の頃から痩せ薬と言われ、覚せい剤であるアンフェタミンを飲み続け、薬物中毒に陥っていた。
40代になり、薬物中毒や体調不良で仕事が激減していたジュディは、2人の子どもを連れてホテルを泊まり歩く生活をしていたが、宿泊費未払いでホテルを追い出されてしまう。
途方にくれたジュディは元夫シドニー・ラフトの元に転がり込む。
薬物中毒による精神不安定のため、アメリカでは仕事が減っていたジュディは、心を引き裂かれる思いで子ども達と別れ、イギリス・ロンドンへと旅立つ。
ロンドン公演でも、気分不安定のため公演に遅刻したり、舞台上で不可解な言動をしてしまう。
そんな時、親友のミッキー・ディーンがジュディを訪ね、落ち込んでいる彼女を励ます。
2人の仲はさらに深まり、ついに結婚する。
医師から休養するよう助言を受けるが、経済状況からアメリカには戻れないことが判明する。
子ども達とこれ以上離れてはいられないと思うジュディだったが、最後の力を振り絞ってロンドン公演を継続するのだった。
キャスト
ミッキー・ディーン フィン・ウィットロック
シドニー・ラフト ルーファス・シーウェル
バーナード・デルフォント マイケル・ガンボン
ロザリン・ウィルダー ジェシー・バックリー
ルイス・B・メイヤー リチャード・コーデリー
ローナ・ラフト ベラ・ラムジー
バート ロイス・ピアソン
ダン アンディ・ナイマン
ロニー・ドネガン ジョン・ダグリーシュ
ライザ・ミネリ ジェマ=リー・ドヴルー
マーガレット・ハミルトン フェネラ・ウールガー
ミッキー・ルーニー ガス・バリー
若き日のジュディ・ガーランド ダーシ・ショー
あらすじ
日本では2020年3月に公開される『Judy』を、一足早くアメリカ公開初日に観てきました。
▼trailerです。
▼日本版trailerです。
▼感想です。
『Judy』一足早く公開日に観てきた。ジュディ・ガーランドの晩年近くのロンドン公演を描いた作品。最後の曲の後に、会場で自然に拍手が沸き起こった。映画館でこんなことみたの初めて。日本で公開されたら、また観たい。 pic.twitter.com/PVGqIDf8zu
— るん / Lune (@nyny1121) 2019年9月28日
ジュディ・ガーランドの晩年近くの姿をレネー・ゼルウィガーが熱演していて、歌も全て吹き替えなしで歌っています。
ジュディの晩年近くは、正直に言って40代とは思えないほど、薬物中毒や心労により顔の皺や容姿が老けていて、 ファンとしてはとても辛くて見ていられないのですが、レネーはその姿を美化せずそのまま模して演じていました。
つまり若作りせず、当時の彼女の姿に近づけていたので、好感が持てました。
特にフィーチャーされていたのは「Over the Rainbow」や「Trolley Song」でしょうか。
他にもジュディの歌った名曲はたくさんあるのになぁなんて思ってしまいましたが、有名曲の方が観客も馴染みがあるからということなのか。
「Always Chaising Rainbows」とか歌われたら号泣してしまいますね。
映画では40代のジュディがメインで、所々10代の頃の様子がフラッシュバックして登場していました。
アンフェタミンを無理やり飲まされていた様子など、胸が痛みました。
数々の映画で共演したミッキー・ルーニーとの交流も描かれていたのですが、ジュディがミッキーのことを好きだったような描写で、そんなことがあったのかしらと少し驚きました。
ジュディがミッキーに「私のことどう思ってるの?」なんて尋ねて、「いい仕事のパートナーだよ」みたいに返されて、シュンとなっているジュディが可愛かったです。
打って変わって40代のジュディはすっかり母親の顔。
仕事のために、まだ幼い子ども達と別れる場面は泣いてしまいました。
レネー・ゼルウィガーが歌う場面は映画『シカゴ』で観ていますが、ロキシー・ハートとは全く違う歌い様で、改めてその演技力の高さに圧倒されました。
ラストの歌唱の後、映画館で拍手喝采が起こった場面に遭遇したことなんて、今までありませんでした。
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