『Beautiful: The Carol King Musical』とは
キャロル・キングの楽曲を用い、彼女の半生を描いたジュークボックス・ミュージカル。
2013年にサンフランシスコでプレミア公演され、2014年にブロードウェイで初演された。
トニー賞7部門でノミネートし、主演女優部門(Jessie Mueller)と音響部門の2部門で受賞した。
演出はMarc Bruni。
あらすじ
16歳のキャロルは、教師になるよう勧める母ジーニーを振り切り、プロデューサーであるドニー・カーシュナーに自身の曲を売り込み、作曲家を夢見る。
やがて同じ大学に通うジェリーと出会い恋に落ちる。
ジェリーとキャロルはコンビを組み、キャロルが作曲、ジェリーが作詞を手がけるようになる。
間も無くキャロルは思いがけず妊娠するが、ジェリーとともに仕事と子育てに奮闘する。
キャロルとジェリーは、同じプロデューサーの門下であるバリーとシンシアと戦友のようになり、互いに切磋琢磨して数々のヒットを飛ばす。
しかし、徐々にジェリーは精神的に追い詰められていくようになり、浮気や酒などに走るようになる。
キャロルはジェリーと別れる道を選び、2人の子持ちのシングルマザーとなり、ロサンゼルスで新たな道を歩み始める。
キャスト
Carol King Sarah Bockel
Gerry Goffin Cory Jeacoma
Cyncia Weil Jessica Keenan Wynn
Barry Mann Jacob Heimer
Don Kirshner Paul Anthony Stewart
Genie Klein Liz Larsen
感想
日本初演を観て、大好きになった作品です。
ジュークボックスミュージカル全般は苦手なのですが、この作品は例外。
5月にあった来日コンサートでは、オリジナルキャストでキャロルを演じ、トニー賞を受賞したJessie Muellerさんの歌声も聴くことができたんです。
しかもサインまでいただいてしまい、ますますJessieさんとこの作品への想いを強くしたのでした。
この年の10月にブロードウェイでの閉幕が決まっていたので、何とか予定に組み込み観劇することができました。
▼キャストたちが作品について語っているもの。Abby Muellerはオリジナルブロードウェイキャストでトニー賞を受賞したJessica Muellerの妹さんです。
Beautiful - The Carole King Musical
▼ABCニュースで放送された様子
"Beautiful: The Carole King Musical"
▼観劇後の感想です。
『Beautiful: The Carol King Musical』伝記×jukeboxという苦手ジャンルなのに、この作品は例外的に大好き!それは彼女の歌と半生がリンクした脚本によるのかな。You’ve Got a Friendで隣の席のおじ様が男泣きしてて、当然私も号泣。こういうhappy theatre crying大好き😭💓デトックス! pic.twitter.com/s3VLQ81xxE
— るん / Lune (@nyny1121) 2019年9月30日
改めていい作品だなぁと感動しました。
キャロル・キングの曲はラジオを通して「You've Got a Friend」や「Will You Love Me Tomorrow」などを聴いていた程度で、そこまで熱心なファンでは元々ありませんでしたが、このミュージカルを通して、それらが生まれた背景にあるキャロルの人生模様と楽曲とが非常にリンクしていることがわかり、曲の味わいの深さが増して、さらに好きなアーティストになりました。
作曲家として自立する夢、恋愛、妊娠、結婚、よきライバルでもある親友たち、破局、シングルマザー、シンガーソングライターとしての新たな道…
キャリアで成功を収める一方、女性としてのライブイベントでは紆余曲折ありながら、それをさらに創作のエネルギーに昇華させている様子はとてもinspiringです。
また、シンシアとバリーという愛すべき友人たちの存在も、この作品を魅力的なものにしている要因だと思いました。
キャロル役Sarah Bockelに心から拍手を送りたい👏👏
— るん / Lune (@nyny1121) 2019年9月30日
シンシア役のJessica Keenan Wynn。名前に見覚えがあると思ったら『マンマ・ミーア! ヒア・ウィー・ゴー』でターニャの若い頃を演じた方。BWでは他にoffでやってた『Heathers』でタイトルロールも演じていたのね。
閉幕前に間に合って良かった! pic.twitter.com/SNRxUZb8PC
今まで、ブロードウェイ公演では様々な役者さんがキャロルを演じてきていますが、ラストを飾るのがSarah Bockelさん。
オリジナルキャストのJessie Muellerさんの時のunderstudyで、国内ツアーにも出演していたそうです。
彼女のキャロルは歌にパワーがあって、歌詞が胸に響きました。
素晴らしかったです。
シンシア役のJessicaさんは映画『マンマ・ミーア!2』の若き日のターニャ役やミュージカル『Heathers』に出演していた方でした。
道理で見覚えがあったはずです。
一通り観て、日本で観たものと演出に大きな違いはなかったかと思います。
やっぱり英語のために書かれた歌なので英語で聴く方がいいですし、演者についても振り切ったperformanceについては断然こちらの方が良かったです。
鳥肌がブワッと立ち、心臓を持っていかれる感覚は、日本では味わえないものでした。
Beautiful: The Carole King Musical
- アーティスト:
- 出版社/メーカー: Ghostlight Records/ Razor & Tie
- 発売日: 2018/03/02
- メディア: CD