『The Wrong Man』とは
2019年にオフブロードウェイのMCC Theaterで初演されたミュージカル。
脚本・作曲・作詞はRoss Golanによる。
Ross Golanがプライベートで製作したコンセプトアルバムを基にミュージカル化された。
Ross Golanは、Ariana GrandeやMaroon 5などに楽曲提供していることでも知られる。
演出は『Hamilton』も手がけたThomas Kail。
あらすじ
場所はネバダ州リノ。
仕事で落ちぶれたデュランは、バーで出会ったマリアナと恋に落ち、一夜を共にする。
しかし、マリアナは既婚者であり、彼女の夫は妻がデュランの子どもを妊娠したことに立腹し、デュランを恨むようになる。
ある日、通り魔事件を目の当たりにしたデュランは、その事件の加害者として無実の罪を着せられてしまう。
キャスト
Duran Joshua Henry
Mariana Ciara Renée
Man in Black Ryan Vasquez 『Walk on Through: Confessions of a Museum Novice』
感想
プレビューが始まって間もない頃に、オフブロードウェイのMCCシアター系で上演された『The Wrong Man』に行ってきました。
良作を多く世に送り出しているMCC系であり、クリエイティブスタッフにも『Hamilton』を手がけた方が多くいます。
主演は、『Carousel』でのBilly役が記憶に新しいJoshua Henry。
彼は他に『Hamilton』のシカゴ公演でアーロン・バーを演じています。
▼trailerです。
Now in Performances | THE WRONG MAN
▼観劇後の感想です。
https://twitter.com/nyny1121/status/1175729704948699136
全幕通してsung-through(セリフはなく全て歌)で、Ross Golanの楽曲はラップ調だったため、韻を踏んでいるのはわかるのですが、なかなか内容を理解するのが難しかったです。
舞台奥にバンドがいて、両サイドにステージ席があり、役者はそれらに囲まれた空間で演技します。
固定された舞台装置はなく、椅子とベンチをアンサンブルがその都度移動させていました。
椅子は時にベッドになり、時に重ね合わせて台になったり。
また、アンサンブルの身体を柔軟に使った形態変化も印象的でした。
https://twitter.com/nyny1121/status/1175737041214148609
どことなく、どこかで見たことがあるような・・・と思ったら、音楽は『Hamilton』だし、sung-throughで役者同士の絡みは『Rent』だし、どことなく名作ミュージカルに似ている要素が寄せ集められている印象をやや受けました。
▲出典:Review: MCC Theater's 'The Wrong Man'
私は上の写真の右端のあたりのステージ席に座っていました。
ステージ席の設置は、最近のimmersive theaterの流れでしょう。
役者との直接的な絡みはありませんでしたが、時々ステージ席に指を差してきたり、訴えかけてくることもあり、臨場感が増した気がします。
Joshua Henryは今回も期待以上のperformanceを披露してくれました。
前回『Carousel』で観た時はクラシックな歌い方でしたが、今回はまた違った一面を観ることができ、良かったです。