『ロッキーの春風(1942)』とは
フィリップ・ワイリーによる短編小説「Second Honeymoon」を基にしている。
主演のベティ・グレイブルは、本作で出会ったハリー・ジェイムズ(トランペット奏者)とのちに2度目の結婚をした。
監督はアーヴィング・カミングス。
あらすじ
ブロードウェイの舞台に立つヴィッキーとダンは恋人同士だが、ダンの浮気癖のせいで喧嘩ばかりしている。
ある日、愛想を尽かしたヴィッキーはかつてのダンスパートナーであるヴィクターとともに、ロッキーの山麓にあるルイーズ湖のリゾート地での仕事を始めてしまう。
3ヶ月経ち、ダンは新作のショーの出資者がおらず窮地に陥っていた。
そんな折、紹介されたビッケル氏とブラウン氏が出資に名乗りをあげるが、それにはヴィッキーの出演が必須だという。
ヴィッキーとヴィクターの噂を聞いていたダンは諦めかけるが、ヴィッキーとまた恋をすれば、ヴィッキーは必ず出演するとけしかけられ、ダンもヴィッキーの元に向かう。
その道中、ダンは泥酔のため飛行機の中で熟睡していたが、実は酔っている最中に、その場にいる見知らぬ人をスカウトし秘書にしていた。
そのうちの一人のロジータと一緒にいるところをヴィッキーに見られてしまい、ヴィッキーはダンを嫌っているはずなのにロジータに嫉妬してしまうのだった。
キャスト
ヴィッキー・レーン ベティ・グレイブル
ダン・クリスティ ジョン・ペイン
ヴィクター・プライス シーザー・ロメオ
フィービー・グレイ シャーロット・グリーンウッド
マクタヴィッシュ エドワード・エヴェレット・ホートン
ハリー・ジェームズ 本人
感想
上記の通り、はちゃめちゃな筋書きなのですが、ベティ・グレイブルの艶やかな美しさ、カルメン・ミランダの陽気さに癒されるミュージカル映画となっていました。
どこまでフィリップ・ワイリーの原作小説に忠実なのかはわかりません。
それにしても、ジョン・ペインは失脚した色男の雰囲気がたまらなく似合います。
ミュージカルシーンはカルメン・ミランダによるもの以外は、残念ながら舞台シーンのみでした。
▼ベティ・グレイブルとジョン・ペインによるミュージカルシーン
Springtime in the Rockies (Betty Grable Musical Number)
また、本作でもカルメン・ミランダによる陽気なラテン音楽を楽しむことができました。
カルメン・ミランダとベティ・グレイブルの共演は『遥かなるアルゼンチン(1940)』に続き2作目です。
Carmen Miranda - Chattanooga Choo Choo (1942)
その他ですが、フィービー役のシャーロット・グリーンウッドはのちに『オクラホマ!』の映画版でエラーおばさん役で出演しています。
女性の道化役をカルメン・ミランダに取られ、本作では影に隠れていますが、彼女のコミカルなダンスシーンもおもしろかったです。