ミュージカルは終わらない Musicals won't be over.

ミューオタるんによる舞台ミュージカルを中心とした、ミュージカル映画、演劇、オペラに関するブログ

『フラワー・ドラム・ソング(1961)』Flower Drum Song

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『フラワー・ドラム・ソング(1961)』とは

1958年ブロードウェイ初演の同名の舞台ミュージカルを基にした、1961年公開のミュージカル映画

原作はC・Y・リーによる同名小説。

音楽は、『オクラホマ!』や『回転木馬』などを手がけたリチャード・ロジャースとオスカー・ハマースタイン2世のコンビによる。

キャストにはブロードウェイ公演のオリジナルキャストを多く採用している。

監督はヘンリー・コスター

あらすじ

メイ・リーは、サンフランシスコにあるナイトクラブのオーナーであるサミーと結婚するため、父親とともに香港から船に乗ってアメリカに密入国する。

しかし、サミーはナイトクラブのダンサーであるリンダと交際していた。

メイ・リー親子は居候することになったマスター・ワンの家で、息子のターを紹介される。

マスター・ワンはメイ・リーを気に入り、息子の嫁にと考えるが、マダム・リャンに自然に恋に落ちるようにしなければと注意される。

また、マスター・ワンは家で息子たちとの世代格差を感じていた。

一方のターはリンダに夢中になっており、結婚を渋るサミーを嫉妬させようとしたリンダはターとデートを重ねる。

ターの大学卒業記念パーティーで、リンダはターに両親に紹介するようせがむが、ターは結婚はまだ早いと渋る。

リンダとターの仲に気づいたサミーは、ターの両親をナイトクラブに招き、リンダの生業を見せつけ破談にしようとする。

このことにショックを受けたターは、幼馴染のお針子ヘレンの元に行くが、ヘレンは密かにターに想いを寄せていた。

出来上がった洋服を受け取りにきたメイ・リーは、ヘレンとターが一緒にいることを知り、ショックを受けて家に走って帰る。

ターはようやくメイ・リーが自分の妻に最適であることに気づくが、すでに彼女は勘違いしており、彼を拒絶し、予定どおりサミーと結婚しようとするが。

キャスト(歌の吹き替え)

リンダ・ロウ ナンシー・クワン(B・J・ベイカー)

ワン・ター ジェームズ・シゲタ

メイ・リー ミヨシ・ウメキ

ワン・チーヤン ベンソン・フォン

サミー・フォン ジャック・スー

マダム・リャン ファニタ・ホール

ヘレン・チャオ レイコ・サトウ(マリリン・ホーン)

ワン・サン パトリック・アディアート

ボーイ長 ジェームズ・ホン

感想

アメリカ版のDVDでみました。

リチャード・ロジャースとオスカ・ハマースタインのミュージカル映画で、なぜかこれだけは日本でDVD化されていません。

オールアジア人キャストの異色のミュージカルをそのまま映画化しており、日系アメリカ人の役者さんも多く出演しています。

特に、アジア系として唯一アカデミー賞を受賞した役者である、ミヨシ・ウメキさんの素朴で純真無垢な中国人娘役は秀逸でした。

彼女をはじめ、『南太平洋』のブラッディメアリー役で知られるファニタ・ホールなど、舞台版でも出演していたキャストが映画にも引き続き出演しています。

▼trailerです。


Flower Drum Song Trailer 1961

ロジャース&ハマースタインのミュージカルとしては、そこまでヒットナンバーはありませんが、「I Enjoy Being a Girl」は今でも様々なアーティストにカヴァーされている可愛らしい楽曲として知られています。

そのほか、「Love Look Away」「Grant Avenue」「One Hundred Miracles」などがあります。

▼「I Enjoy Being a Girl」


I Enjoy Being A Girl Flower Drum Song Movie

 

最初はメイ・リーの親の言われたままにしたり、アメリカ文化に教化されていったりという感じに嫌気がさしましたが、後半の抑えている感情を吐き出すシーンなどは鬼気迫るものがあり、素晴らしかったです。

女優陣の陰に隠れている感じもありますが、3人の女性との関係を演じなければならないジェームズ・シゲタさんもなかなか大変な役どころかと思われますが、二枚目として素晴らしい演技、そして歌声でした。

また、1人だけ報われないヘレンですが、彼女が歌う「Love Look Away」は吹き替えではありますが非常に美しいナンバーだなと改めて思いました。

この曲では『オクラホマ!』などにみられた(そこまで抽象的ではありませんが)Dream Balletが出てきます。

また、当時の一般的なチャイナタウンの家庭が描かれていますが、文化的なギャップだけでなく、同じコミュニティの中のジェネレーションギャップを具体的に描いていて、この点に関しては人種や時代を問わず、普遍的なテーマだなと感じました。

ドタバタ劇ではありますが、ロジャース&ハマースタインのミュージカルの中で、数少ない、誰も死なない「ハッピーエンディング」の作品であり、ただただ楽しく観ることができました。

▼「Grant Avenue」


Grant Avenue - Flower Drum Song