ミュージカルは終わらない Musicals won't be over.

ミューオタるんによる舞台ミュージカルを中心とした、ミュージカル映画、演劇、オペラに関するブログ

『メリー・ウィドウ』2014/2015 season @Met

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(nytimes.comより)

メリー・ウィドウ』とは

フランツ・レハールによる1905年初演のオペレッタ

原作はアンリ・メイヤックによる「大使館付随員」。

通常はドイツ語。タイトルを直訳すると「陽気な未亡人」。3幕構成。

今回は2014/2015 seasonにメトロポリタン歌劇場(以下Met)で英語で上演されたものをライブビューイングで拝見した。

演出はブロードウェイ作品を手がける演出家で振付師のスーザン・ストローマン(今回がMetデビュー)。

あらすじ

パリにある、ポンデヴェドロ(という架空の国)の大使館では国王の誕生祝賀パーティーが行われている。

人々の話題に上がっているのは、巨万の富を持つハンナ・グラヴァリ未亡人。

彼女の周りには、資産目当てで言い寄る男性たちばかり。

彼女がパリの男性と結婚すると、資産がポンデヴェドロから失われてしまう。

それを恐れて、ツェータ男爵はハンナとダニロ伯爵を引き合わせる。

実は彼らは昔恋仲だったが、身分の違いから仲を引き裂かれた過去があった。

ダニロ伯爵はハンナに資産目当てであると思われたくないため、わざとつれなく接する。

一方、カミーユはツェータ男爵夫人であるヴァランシエンヌに想いを寄せており、思い余ってヴァランシエンヌをあずまやに連れ込む。

そこに妻の浮気を疑ったツェータ男爵がやってくるが、ハンナはヴァランシエンヌの代わりとなり彼女を守る。

しかし結果的にハンナとカミーユは婚約することになってしまい、ツェータ男爵はポンデヴェドロから巨万の富が失われるのを嘆く。

それもつかの間、あずまやからヴァランシエンヌの扇子が見つかり、2人の逢瀬が明るみに出る。

ツェータ男爵は怒りのあまり、ヴァランシエンヌと離婚し、ハンナと結婚すると口走るが、ハンナは「結婚すると資産を全て失う」という夫の遺言を伝える。

一方、ダニロは資産など関係なく、愛しているとついにハンナに求婚する。

ハンナは「結婚すると資産は全て結婚した夫のものになる」と遺言の続きを述べ、ダニロの申し出を受け入れる。

 

キャスト

ハンナ・グラヴァリ ルネ・フレミング

ダニロ伯爵 ネイサン・ガン

ヴァランシエンヌ ケリー・オハラ

カミーユ・ド・ロシヨン アレック・シュレイダー

ツェータ男爵 トーマス・アレン

ニェグシュ カーソン・エルロッド

感想

WOWOWで放送していた、Metの新演出版オペレッタメリー・ウィドウ』を観ました。

主演はオペラ界で主に活躍するルネ・フレミング

彼女は、2018年のブロードウェイ公演『回転木馬』や2019年のロンドン公演『ライト・イン・ザ・ピアッツァ』に出演するなど、ミュージカルにも出演の場を広げている方でもあります。

そして、ブロードウェイの歌姫でトニー賞受賞者でもあるケリー・オハラも本作で念願のMetデビューを果たしています。

ロジャース&ハマースタイン作品をはじめ、ブロードウェイの正統派ヒロインをいくつも演じてきた彼女ですが、大学ではオペラを専攻し、ミュージカルでもどちらかというとオペラ的歌唱を披露してきました。

さらに、今回演出したのは『コンタクト』でトニー賞も受賞した、主にブロードウェイで活躍する演出家で振付家のスーザン・ストローマンという布陣。

まさに、クラシックとブロードウェイそれぞれの精鋭の競演というオペレッタとなっていました。

▼本公演について語る演出のスーザン・ストローマン


The Merry Widow: 2014–15 New Production

ストローマンの振付の妙は1幕のワルツシーン、3幕のフレンチカンカンのシーンで生きていました。

1幕の優美なワルツに合わせるだけではなく、台詞やシーンの流れに合わせた振付、演出は見事でした。

3幕のカンカンは、ムーラン・ルージュ風で楽しかったです。

フライングシーンを盛り込むなど、大掛かりな工夫も凝らされていて良かったです。

また、ルネ・フレミングとネイサン・ガンが圧倒的な歌唱力と存在感で全体を率いていました。

その脇で、トーマス・アレンが大物なのにも関わらず、コミカルに演じてみせるのも印象的でした。

ルネ・フレミングとネイサン・ガン


The Merry Widow: "If a Girl's Admiring You" (Fleming, Gunn)

ケリー・オハラも可愛らしい人妻を好演していました。

彼女としては「オペラは開放的なパーティー、ミュージカルはお家パーティー」というイメージらしいです。

確かに箱の大きさが違いますものね。

▼ケリー・オハラとカンカンシーン


The Merry Widow: "We're the Ladies of the Chorus"

この作品に関しては音楽だけですが、幼稚園の頃から何度も聴いていたので、、非常に聞き馴染みがありました。

思わずハミングしたくなるような楽しいメロディーの連続は、ブロードウェイミュージカルに通ずるものがありますし、終始楽しい気持ちで鑑賞することができました。

このようなブロードウェイとクラシックの垣根を取り払った試みは非常にニューヨーク的で素敵だと感じました。

 

今後は、ミュージカルの範疇を広げ、このようなオペラやオペレッタに関する記事も書いていこうと思っています。

よろしくお願いします。