『世紀の女王(1944)』とは
1944年公開のMGMによるミュージカル映画。
元水泳選手で15歳当時世界記録も樹立し、その後女優に転身したエスター・ウィリアムズの初の主演作であり、水中レビューを披露している。
監督はジョージ・シドニー。
あらすじ
人気の作曲家スティーヴ・エリオットは、恋人のキャロラインと結婚する準備をしていた。
結婚に当たって、スティーヴは作曲家の仕事を辞める決意をしていたが、プロデューサーのジョージはどうしてもスティーヴに作曲を続けてもらいたかったため、2人の結婚式が破綻になるように罠を仕掛ける。
キャロラインはスティーヴが不義理を働いたと勘違いし、仕事場であるヴィクトリア大学に飛んで帰る。
誤解を釈明しようとするスティーヴは、女子大であるヴィクトリア大学の校則をかいくぐり、何とか入学してキャロラインに会おうとするが。
キャスト
キャロライン・ブルックス エスター・ウィリアムズ
ジョージ・アダムス ベイジル・ラスボーン
ザビア・クガート 本人
ハリー・ジェイムス 本人
感想
若き日のエスター・ウィリアムズがまぶしく、ラテン音楽とクラシック音楽に彩られたミュージカル映画です。
水泳選手出身のウィリアムズの水泳シーンは冒頭とラストのみですが、特にラストの水中レビューショーは彼女のために用意されたセットがあり、MGMが彼女に並々ならぬ期待をしていたことがうかがい知れます。
内容的には(ややお粗末な)シンクロナイズドスイミングという感じですが、当時としては苦労して撮影したのだろうなということはわかりますし、泳いでいるウィリアムズの笑顔は格別です。
▼trailerです。
また、本作のもう一人の主役、レッド・スケルトンのコメディーシーンがとにかく面白く、何度も笑い転げてしまいました。
観終わった時、個人的にはウィリアムズよりも、スケルトンの演技に拍手を送りたくなるほど。
特にスケルトンがチュチュを着てバレエを踊るシーンは必見です。
ただ、音楽は既成曲が多く、instrumentalのシーンばかりで、ミュージカル映画としての見応えはあまりありませんでした。