『農園の寵児(1938)』とは
1938年のシャーリー・テンプル主演のミュージカル映画。
ケイト・ダグラス・ウィギンの小説『少女レベッカ』を基にしている。
監督はアラン・ドワン。
あらすじ
両親の亡くなったレベッカは、おじとともに暮らしていた。
歌の才能があるレベッカは、ラジオ番組主催のリトル・ミス・アメリカのオーディションを受けるが、実際には合格だったにも関わらず審査側のオーヴィルのミスで不合格と勘違いし、会場を後にする。
審査をしていたアンソニー・ケントはこのことにたいそう怒ったが、事前に確認しておいた受験者の住所を頼りにその少女を割り出せると知り、田舎へ休暇に出る。
がっかりしたおじは、レベッカを母方のおばの住む農場に引き渡す。
レベッカは母親が幼い頃暮らしていた場所に住むことができると知り喜ぶが、おばはレベッカの母親が芸能活動のせいで亡くなったと考えており、レベッカには芸能活動をさせないという方針を持っていた。
レベッカは農場で、いとこのグウェンや、休暇で訪れていたアンソニー・ケントに出会い、楽しい時間を過ごす。
そんなアンソニーの元に、オーヴィルから、合格者の住所を探したが、見つけることができなかったとの通知が入る。
再び怒るアンソニーだったが、レベッカの歌声がたまたま耳に入り、合格者はレベッカであることを知る。
早速レベッカをラジオ番組に出演させようとするが、レベッカのおばが反対するのは目に見えていたため、農場から密かにラジオ中継することを思いつく。
キャスト
レベッカ・ウィンステッド シャーリー・テンプル
アンソニー・ケント ランドルフ・スコット
オーヴィル・スミザーズ ジャック・ヘイリー
グウェン・ウォレン グロリア・スチュワート
ローラ・リー フィリス・ブルックス
ハリー(レベッカのおじ) ウィリアム・デマレスト
アロイシアス ビル・ロビンソン
ホーマー・バズビー スリム・サマーヴィル
感想
シャーリー・テンプルの主演ミュージカル映画の中でも特にヒットした本作について、書いてみようと思います。
今回は農場を舞台に、オーバーオールを着たテンプルちゃんが歌い踊ります。
▼trailerです。
Rebecca of Sunnybrook Farm (1938) Trailer - Shirley Temple
本作の公開年のテンプルちゃんは10歳なので、実際の撮影年はそれ以前ということになるので、小学校低学年でしょうか。
この時期になると、脇を固める役者陣も豪華です。
ランドルフ・スコットは西部劇のスターですが、テンプルちゃんとも3作ほど共演しています。
劇中でテンプルちゃんが求婚してしまうほどの色男を好演しています。
また、ランドルフの部下のオーヴィル役は、『オズの魔法使』でカカシ男を演じたジャック・ヘイリーです。
特殊メイクをしていないと、全くカカシ男とは気づかれないのではないかなと思いました。
テンプルちゃん主演のミュージカル映画は主にファミリー向けの内容になっていますが、脇の俳優陣も本当に真剣に演じているのが好感が持てます。
本作の音楽は、何人かの作曲家たちの共作になっていました。
『輝く瞳』で使用された「On the Good Ship Lollipop」も再びrepriseという形で登場していました。
▼本作におけるiconicなナンバー「An Old Straw Hat」
Shirley Temple An Old Straw Hat From Rebecca Of Sunnybrook Farm 1938 Extended Version
上記の「An Old Straw Hat」以外は特別耳に残る名曲はなかったかなと感じました。
ミュージカルシーンとしては、農場手伝いのアロイシアスとのシーンが非常に微笑ましく、繰り返して観てしまうほどでした。
▼「The Toy Trumpet」
Shirley Temple The Toy Trumpet From Rebecca Of Sunnybrook Farm 1938
私が持っているアメリカ版のDVDにはモノクロ版とカラー版の両方が入っており、それぞれで楽しむことができました。
改めて、この年齢で、これだけの歌、ダンス、演技をこなせる上に、堂々とした佇まい、機転の良さなど、テンプルちゃんには感心させられるばかりです。
彼女を観ていると、自然と明るい気持ちになり、世界恐慌時代のアメリカ人たちの心の拠り所であったことに納得がいきました。
シャーリー・テンプル 農園の寵児 [スタジオ・クラシック・シリーズ] [DVD]
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