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『美人劇場(1941)』Ziegfeld Girls

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『美人劇場(1941)』とは

1941年に公開されたMGMによるミュージカル映画

ロバート・Z・レナードが監督。

1936年の『巨星ジーグフェルド』の続編として制作された。

音楽は他作品からの引用が多いが、本作のために書かれた曲として「You Stepped Out of a Dream」などがある。

ジュディ・ガーランドが歌う「I'm Always Chasing Rainbows」は、ショパン幻想交響曲の一節を引用しジョセフ・マッカーシーが詞をつけたものだが、オリジナルは1918年ブロードウェイ初演の『Oh, Look!』で、ドリーシスターズによって歌われている。

あらすじ

フローレンツ・ジーグフェルドは新しいレヴューショー『ジーグフェルド・フォーリーズ』のキャストを各地で探していた。

3人のうら若き女性たち、サンドラ、スーザン、シーラはその候補者である「ジーグフェルド・ガール」に選ばれ、友達になる。

サンドラはヴァイオリン奏者の夫フランツのオーディションの付き添いでいるところをスカウトされた。

サンドラはショーガールに興味はなかったが、生活苦を救うため引き受けるものの、夫のフランツは妻が人目に晒されることが耐えがたかった。

父と一緒に旅興行をしているスーザンは、夢であるショーガールに選ばれ一度は喜ぶが、父親は採用されなかったので辞退しようとする。

しかし、父は親子の夢を実現しようとするスーザンを後押しし、自身は職を探すため離れ離れの生活をすることになる。

エレベーターガールのシーラは、たちまちスターダムに上り詰め、注目の的となるが、トラック運転手のボーイフレンドへの愛と、突然の裕福な生活の間で悩む。

華やかな芸能生活の陰の、三者三様の悲喜こもごもが描かれる。

キャスト

ギルバート・ヤング  ジェームズ・ステュアート

スーザン・ギャラガー  ジュディ・ガーランド

サンドラ・コルター  ヘディ・ラマー

シーラ・リーガン  ラナ・ターナー

フランク・マートン  トニー・マーティン

ジェリー・レーガン ジャッキー・クーパー

ジェフリー・コリス イアン・ハンター

スーザンの父 チャールズ・ウィニンガー

パッツィー・ディクソン イヴ・アーデン

フランツ・コルター フィリップ・ドーン

感想

ジュディ・ガーランドの出演作ということで観ましたが、それ以上に、ヘディ・ラマーラナ・ターナーの絶世の美しさに思わず見とれてしまいました。

▼trailerです。


Ziegfeld Girl - Trailer

この邦題に最初馴染めなかったのですが、観終わって納得しました。

やはりヘディ・ラマーラナ・ターナーの美しさが別格ですが、それ以外にも美人の踊り子さんたちが次から次へとこれでもかと登場します。

ヘディ・ラマーといえば科学者としても名を馳せた才色兼備の女優ですが、本作では知的な雰囲気を漂わせながらも、愛する人に忠誠を誓うひたむきな女性を熱演しています。

ラナ・ターナーも実に美しいのですが、最初の図に乗った鼻につく感じからの、後半の急激に落ちぶれていく演技こそ注目に値するものでした。

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このお二方と比べると、ジュディ・ガーランドはまだまだ幼くあどけなさが残り、美人というより可愛いという印象ですが、持ち前の歌唱力で本作のミュージカルシーンを堂々と率いていました。

ジュディ・ガーランドによる「I'm Always Chasing Rainbows」

 
Judy Garland - I'm Always Chasing Rainbows (Ziegfeld Girl, 1941)

「I'm Always Chasing Rainbows」はショパンの名曲をアレンジしたnumberですが、ジュディがこのように歌うと非常に優雅なバラードとなります。

ミュージカル映画で何度も観てしまう、大好きなシーンの一つです。

ジュディ・ガーランドとチャールズ・ウィニンガーによる「Laugh? I Thought I'd Split My Sides」


Judy Garland - Laugh I Thought I'd Split My Sides (Ziegfeld Girl, 1941)

お父さん役の方の背がジュディと同じくらいなので、遠目からだとミッキー・ルーニーにも見えなくないかなと思いましたが、これも制作側の意図でしょうか。

ジュディとこのお父さんとのやりとりにも泣かせられます。

こういったジュディの元気な姿を観られるだけで、この映画は観る価値が十二分にあります。

ご覧の通りモノクロ映画ですが、モノクロでさえこれだけの艶やかさを感じさせる映像なのですから、カラー映画だったらどれほどのものになったのでしょうね。

あらすじですが、ショウビジネスの裏側がわりとシビアに描かれていると思います。

ミュージカル映画ですが、厳しい現実を突きつけられる場面が何度もありました。

ラストでは、シーラの行く末ははっきりとは描かれずに終わりますが、それが何よりの救いですね。

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