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『ヘアスプレー ライブ!(2016)』Hairspray Live!

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『ヘアスプレー ライブ!(2016)』とは

2016年12月7日(現地時間)にNBCで放送されたミュージカル『ヘアスプレー』の生放送上演のこと。

2002年初演の同名のブロードウェイミュージカル、それを基にした2007年の同名のミュージカル映画を基にしている。

ミュージカルの基になった1988年の映画のトレイシー役であるリッキー・レイクと、舞台版のオリジナルキャストのトレイシー役のマリッサ・ジャレット・ウィノカーが、Mr. ピンキーの店の店員としてカメオ出演している。

NBCはこれまで「live!」シリーズとして『ウィズ』、『ピーター・パン』、『サウンド・オブ・ミュージック』などの生放送上演をしており、本作はその4作目にあたる。

あらすじ

▼映画版の記事を参照してください。

nyny1121.hatenadiary.com

キャスト

トレイシー・ターンブラッド マディー・バイリオ

エドナ・ターンブラッド ハーヴィー・ファイアスタイン

アンバー・フォン・タッセル ダヴ・キャメロン

ヴェルマ・フォン・タッセル クリスティン・チェノウェス

ペニー・ピングルトン アリアナ・グランデ

リンク・ラーキン ガレット・クレイトン

シーウィード・J・スタッブズ エフライム・サイクス

モーターマウス・メイベル ジェニファー・ハドソン

ウィルバー・ターンブラッド マーティン・ショート

コーニー・コリンズ デレク・ハフ

アイネス・スタッブズ シャハディ・ライト・ジョセフ

ペニーの母 アンドレア・マーティン

Mr. ピンキー ショーン・ヘイズ

体育教師 ロージー・オドーネル 

感想

Amazon primeで何度も観ている作品です。

prime以外で日本国内で観ることは残念ながらできません。

ミュージカルに興味がなかったとしても、primeに登録されているなら観ないのは損!と断言できます。

「live!」シリーズの魅力は、ミュージカル映画では出すことのできない、live感です。

もちろんカット割や後日撮り直しをすることで実現できることもあるのですが、どんなことが起きても「Show must go on!」の精神で撮り続けるlive versionは舞台さながらの緊迫感を楽しむことができます。

▼trailerです。


Extended trailer of Hairspray Live! - "Live Television, nothing like it"

その時点でのベストな配役

トレイシー役に抜擢されたのは、当時無名の大学生だったマディー・バイリオ。

オリジナルキャストや映画版のトレイシーに負けず劣らずのパフォーマンスを披露しています。

本作にカメオ出演もしている舞台版オリジナルキャストのウィノカーの声は喉を詰まらせるような特徴的な歌声。

映画版のブロンスキーは愛くるしい表情が印象的で伸びやかな歌声。

本作のバイリオはその中間というか、いい意味で中庸という印象でした。

トレイシーのママはオリジナルキャストであるハーヴィーが務めています。

彼女の特徴的なハスキーヴォイスを聴いたら、「ああこれこれ」と思いました。

OBCRを何度も聴いてきた私にとってエドナはまさに彼女の声なのです。

脇を固めるのは、最近『ウィキッド』の映画化でエルファバとグリンダを演じるのではないかと噂が立っている、アリアナ・グランデとダヴ・キャメロン。

アリアナ・グランデも何を隠そうジェイソン・ロバート・ブラウンが手がけたブロードウェイミュージカル『13』出身ですし、ダヴの方もオン・オフ問わずブロードウェイ作品に出演していますし、2019年には『Light int the Piazza』でウエストエンド主演を飾るまでになった若手実力派です。

個人的にはポップアーティストとしてのアリアナは好きなのですが、ミュージカル向きなのかは少し疑問符ですね。

ダヴのアンバーは文句なし、見事な嫌われ役でした(褒め言葉です)。

舞台版、映画版、ライブ版の比較

さて、舞台版、映画版、ライブ版で比較をしてみたいと思います。

まず、楽曲ですが、ライブ版は舞台版のみで使われた楽曲、映画版のみで使われた楽曲、両方を採用していて、今回のライブ版のために新たに作られた楽曲はありませんでした。

その結果、舞台版と映画版のいいとこ取りという印象ですね。

舞台版のみの楽曲で採用されたのは「Mama I'm a Big Girl(映画サントラには収録されている)」「Good Morning Baltimore (reprise)」「Cooties」です。

映画版のみの楽曲で採用されたのは「Ladies Choice」「Come So Far」です。

個人的に「Come So Far」は映画のエンディングに流れるナンバーですが、この作品を象徴していると思うので、ライブ版でも歌われてとても嬉しかったです。

撮影自体はユニバーサルスタジオの撮影所で行われ、開放的な映画のような雰囲気と、舞台のようなセットの組み合わせが印象的でした。

「Good Morning Baltimore」からliveとは思えぬカメラワークで魅せられました。

トレイシーをフォローするショットから突然、車の中からのショットになったりと面白かったです。

実際にテレビで観る場合は途中でコマーシャルが入って話の流れが断絶されるかなと思いますが、もちろんprimeで観た時は一瞬black outするだけで話は流れていったので、それほど気になりませんでした。

ぜひ多くの方に一度は観ていただきたい作品で、ディスク化を強く希望しています。

 ヘアスプレー・ライブ!(字幕版)