『アナスタシア(1997)』とは
1997年の20世紀フォックスによるミュージカルアニメ映画。
20世紀フォックスが初めて製作したアニメ作品である。
1956年の映画『追想』をリメイクしている。
実在したロシアのアナスタシア王女をモデルとしているが、史実とは大きく異なる。
2017年、本作を基にした同名のミュージカルがブロードウェイで初演された。(ハートフォード初演は2016年。)
↓舞台版についてはこちら。
あらすじ
ロマノフ朝の8歳になるアナスタシア皇女は、あるパーティーで祖母である皇太后にオルゴールとペンダントを贈られる。
ペンダントには「いつかパリで一緒に暮らそう」というメッセージが刻まれていた。
しかし、そのパーティーに邪悪な魔法使いラスプーチンが現れ、彼の呪いによってロシア革命が起こる。
逃げ惑う群衆の中、アナスタシアは置き忘れたオルゴールを取りに戻ろうとし逃げ遅れてしまうが、召使の少年が壁の隠し扉から逃がしてくれたのだった。
祖母のマリー皇太后とともに汽車になんとか乗ろうとするが、アナスタシアは乗り遅れ、転倒で頭を打った衝撃で記憶を失ってしまい、祖母と生き別れてしまう。
その後、アナスタシアの消息は不明のまま10年が過ぎ去る。
皇太后はアナスタシアを探し続けており、皇女を連れて行けば皇太后から褒美がもらえるというニュースが広まっていた。
これを聞いたペテルスブルクの詐欺師ディミトリとウラジミールは偽のアナスタシアに仕立てた娘を渡すことで褒美をせしめようと画策する。
しかしなかなか候補の娘が見つからない。
同じ頃、過去の記憶を持たない孤児アーニャは孤児院を離れ、家族との唯一の手がかりのペンダントに刻まれたパリに行こうとしていた。
途中で出会った犬のプーカを連れ、駅に着き、パリまでの切符を買おうとしたが出国ビザがないので切符が買えない。
通りすがりの老婆にアドバイスを受け、アーニャはディミトリに会う。
ディミトリは彼女の境遇と容姿からまたとない好機として、パリに連れて行くことを約束した上で、アーニャをアナスタシアに仕立て上げようとするのだった。
キャスト
アナスタシア皇女/アーニャ メグ・ライアン(歌:リズ・キャラウェイ)
ディミトリ ジョン・キューザック(歌:ジョナサン・ドクチツ)
ラスプーチン クリストファー・ロイド(歌:ジム・カミングス)
マリー皇太后 アンジェラ・ランズベリー
ウラジミール ケルシー・グラマー
ソフィー バーナデット・ピータース
孤児院長 アンドレア・マーティン
幼少期のアナスタシア皇女 キルスティン・ダンスト
感想
2018年9月にブロードウェイで『アナスタシア』のミュージカルを観たので、基になった映画を観たいと思ったのがきっかけです。
ファミリー向けのアニメ映画ですが、舞台版に採用された耳馴染みのある楽曲を楽しむことができました。
↓trailerです。
Anastasia 1997- Official Trailer.
最後のロシア皇帝の第四皇女アナスタシア・ニコラエヴナという実在の人物をモデルにした作品ですが、実際に彼女は一家とともに銃殺され17歳で死去しています。
しかし、銃殺隊員の中には皇族に同情的な者もおり、銃殺を免れたという噂もあり、アナスタシア生存説が生まれたと言われています。
実際に、アナスタシアの捜索が1957年頃あったそうですが、実際に可能性が高いと言われた人物も血縁関係がないことが証明されており、現在生存説は否定的な見解が濃厚です。
また、ラスプーチンもアナスタシアと関わりのあった実在の祈祷僧がモデルで、数々の作品に悪役として描かれています。
フォックスとしてはディズニールネサンスの作品群を意識して製作を開始したのでしょうが、こうして観てみるとキャストは大変豪華であり、フォックスがかなり力を入れて製作したことが伺えます。
一番意外だったのは、ラスプーチンの歌声がディズニー『くまのプーさん』のプーさん役の声優さんだったということです。
似ても似つかない声ですよね。
ナンバーは舞台版でも登場した「Journey to the Past」「Once Upon a December」「Learn To Do It」「A Rumor in St. Petersburg」「Paris Holds the Key」などを楽しめますが、私は舞台版を観てからだったので、音楽がやや少なめで物足りなく感じました。
音楽を担当したのは、デイヴィッド・ニューマンで、本作でアカデミー作曲賞にノミネートされました。
ちなみに、彼の父はブロードウェイミュージカルや200本以上の映画音楽の作曲を手がけたアルフレッド・ニューマンです。
↓本作のiconicなナンバーである、リズ・キャラウェイによる「Journey to the Past」
Anastasia - Journey to the past [1080p] with lyrics
最後に、映画版のリズ・キャラウェイももちろん良いのですが、舞台版でタイトルロールを演じているChristy Altomareのパフォーマンスも素晴らしくて、ホスピタリティー溢れる人間的にも魅力的な方なのです。
先日、映画版でタイトルロールの歌を担当したリズ・キャラウェイと、舞台版のオリジナルキャストであるChristy Almomareが、終演後の舞台で共演することがあったので、動画を紹介させてください。
2人とも同じ大学の出身だそうで、お互いに運命を感じたそうです。
↓リズ・キャラウェイとChristy Almomareの感動的な共演「Journey to the Past」
Liz Callaway & Christy Altomare "Journey to the Past" Duet | ANASTASIA The Musical
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