『シャンポーの森で眠る』とは
1998年、りゅーとぴあの開館記念ミュージカルとして初演された。
今回は開館20周年を記念して再上演された。
原作はジョルジュ・サンドによる『愛の妖精』。
あらすじ
作曲家である男(シルビネ)は、自らの古い日記をもとに新しい作品を創ろうとする。
しかし日記が呼び起こしたのは、彼自身が一度は消そうとした思い出だった。
男は、「双子は不吉なもの」と信じられている小さな村に、双子の弟ランドリーと仲良く育った。
時は過ぎ青年となり、村のはずれに住む少女ファデットと出会う。
自分を不器量と信じ込むファデットは、誰よりも心清らかな娘だった。
秋祭りの日、ファデットはランドリーを踊りに誘う。
シルビネは、双子として仲良く育ったランドリーとの仲に割り入るファデットへの不満を抱く。
それは、村の美しい娘マドレーヌも同じだった。
愛を追うもの、愛に追われるもの、そして愛を奪われたものが交わる。
時が過ぎ、ランドリーとファデットの婚礼が決まる。
失意のシルビネは軍に入隊し村を後にする。
しかし戦火は故郷の村にも広がっていく。
「消えるのは僕のはずだった」
かつての苦しみを背負いつつ、妻子を得て生きてきた男の前に、鬼火たちが姿を見せる。
キャスト
シルビネ(現在) 松村雄基
妻 木村花代
ファデット 生越佳奈子
マドレーヌ 藤田カロリーナ
ランドリー 大羽賀岳
シルビネ(青年期) 佐野晃太
ジャネー 田中乙葉
少年 池柚葉
父親 高橋繁實
母親 長谷川芳子
サジェット 上田佳澄
感想
新潟市にあるりゅーとぴあで行われたミュージカルに行ってきたのでレビューを書いておきたいと思います。
今回は、元四季の木村花代さんが出演されるということもあり観劇したのですが、この日も花代さんの美しい歌声を聴くことができました。
ここの劇場はオケピと言えるような窪みはなく、舞台前にこじんまりとbandがスタンバイしていました。
舞台背景には下の画像のような木を模したものが置かれていて、これがとても綺麗でした。
ミュージカルナンバーは少なく、どちらかというと音楽劇に近い印象。
ダンスもファデットたちの舞踏会の場面くらいで少なめで、オペレッタに近いかなと思いました。
あまりmelodiousなものはなくて、帰り道に鼻歌を歌いたくなる類のものはありませんでした。
ストーリーは主人公の男があまりに精神的に幼すぎるというか、過去を引きづりすぎていて、傲慢さに辟易し、ラストはつらすぎて正直途中で失礼したくなりました。
そのため、ストレートプレイだと暗くなりすぎてしまうから、仕方なくミュージカルにしたのかなと思ってしまったほど。
一番印象に残っているのは、ファデットの生越さん。
舞台上で1人だけ、演技と歌が飛び抜けて上手で、まるでファデットに取り憑かれたようでした。
まだ10代の方なので、ぜひ今後劇団四季の養成所などに入って修練を積んでもらいたいと思いました。