『Come from Away』『カム・フロム・アウェイ』とは
2013年にカナダのSheridan Collegeで初演、その後2015年サンディエゴ公演などを経て、2017年ブロードウェイで初演されたミュージカル。
2001年9月11日に起こったアメリカ同時多発テロ事件の際、北米のすべての空域が閉鎖され、大西洋便航空機39機がカナダ、ニューファンドランドにあるガンダー国際空港に着陸し、乗客がそこで3日間過ごしたという実際の出来事を基にしている。
脚本、音楽などは、Irene SankoffとDavid Heinによる。
2019年にはウェストエンドで初演される予定。
あらすじ
2001年アメリカ同時多発テロ事件。
アメリカ合衆国の領空は一斉閉鎖された。
アメリカ国内の空港に向かっていた世界各国の旅客機のすべてが、急遽国外の空港にルート変更を要される。
その行き先のひとつに指定されたのが、カナダ北東部ニューファンドランド島にあるガンダー空港だった。
この島にルート変更し送り込まれた飛行機は38機。
空港に降り立った乗客の数は6,000人以上になった。
出身地や文化、言語の異なる搭乗者たちの心の交流が描かれる。
キャスト
Beverley / Annette & others. Julie Reiber
Kevin T./Garth & others. Chad Kimball
Claude & others. Joel Hatch
Bob & others. De’lon Grant
Kevin J./Aki & others. Caesar Samayoa 『Dear World』, 『How to Dance in Ohio』
Janice & others. Alex Finke
Bonnie & others. Petrina Bromley
Oz & others. Geno Carr
Nick/Doug & others. Lee MacDougall
Hanna & others. Q. Smith
Diane & others. Sharon Wheatley
Beulah & others. Happy McPartlin
感想
お久しぶりの投稿です。
引き続き、2018年9月にブロードウェイで観た作品について書いていこうと思います。
今回は日本ではまだ上演されたことのない『カム・フロム・アウェイ』はrush ticketで観劇。
朝5時半頃からまだ誰もいない劇場前に陣取り、待つこと約6時間。
無事にrush ticket を入手できました。
注意点として書いておきたいのは、確かにお手頃価格のrushではありますが、必ずpartial viewになってしまうということ。
今回は最前列ではあったけれど、一番下手よりで、舞台の一部が大変観づらい、というかほぼ見えないところもあるので、それであれば10ドルばかり余分に出して、TodayTix で買うのもありだったなと思いました。
英語が母国語ではない私にとって、視覚から得る情報は非常に多いのだなと今回痛感しました。
TodayTix は後ろの方かもしれませんが、端っこでpartial viewになることはまずないのでおすすめです。
さて、前書きが長くなってしまいましたが、このショーは『The Band’s Visit 』と同じく一幕もので、何というか流れるようにあっという間に終わってしまったのですが、その一部始終がカナダっぽいサウンドで包まれていました。
自分で言っておいておかしいのですが、私はカナダ音楽に造詣が深いわけでは決してないにも関わらず、実際に音楽を聴くと「何だかカナダっぽい」と思ってしまったのです。
なので、ここで、この舞台のクリップを貼っておきます。
Cast of "Come From Away" performs for Macy's Thanksgiving Day Parade
ご覧のように舞台上には派手な装置などはなく、わずかな椅子やlighting などで状況を表しています。
かなり低コストなのに、あまり安っぽく感じさせないのは、役者たちの圧倒的なパフォーマンスにあります。
全体的に勢いがものすごくあったんです。
Playbillをご覧になれば一目瞭然ですが、特にメインキャストは設けず、一人が何役もこなしていることがわかります。
そういえば、キャストの中には『メンフィス』に主演したKimballの名前もあって、とても懐かしくなったのですが、彼の役も特にメイン感はなかったです。
このように主演を設けないのは、この登場人物は全て実在する、現在もご健在の方々をもとにしており、彼らへのリスペクトを表しているのだろうと思います。
また、先の痛ましい事件を鑑み、人命平等の立場からこのような対応をしたのかなと勝手に思いました。
ただ、舞台全体には悲壮感はほとんどなく(全くないわけではないけれど)、時折ジョークで笑いが起こるようなショーになっています。
言語や文化が違う人たちが何とか理解し合おうとする様子は感動的でした。
しかし、残念ながら先程の理由で全て理解できずに終わってしまったことと、音楽がそこまで好みの部類ではなかったことなどから、私の中ではそこまで評価が上がりませんでした。
ただ、アメリカのミューオタたちが異口同音に強く推していた作品ですし、周りのアメリカ人たちはライブ会場のように盛り上がっていたので、この種の音楽が好きな方はおそらく好きだと思います。
不完全燃焼の観劇だったので、ぜひリベンジしたいです。
次に観るときはロンドンかな。