『マタ・ハリ』とは
2016年韓国にて初演されたミュージカル。
音楽はフランク・ワイルドホーン。
今回2018年、石丸さち子演出で日本初演。
パリを中心に活躍したオランダ人ダンサーで、第一次世界大戦中にスパイ容疑で処刑された、マタ・ハリの人生がモチーフになっている。
あらすじ
1917年、第一次世界大戦の暗雲たれ込めるヨーロッパ。
オリエンタルな魅力と力強く美しいダンスでパリ市民の心をとらえて放さないダンサー、マタ・ハリ。
彼女の人気はヨーロッパ中におよび、戦時下であっても国境を越えて活動する自由を手にしていた。
その稀有な存在に目をつけたフランス諜報局のラドゥー大佐は、彼女にフランスのスパイとなることを要求する。
もし断れば、人生を賭けて隠してきた秘密を暴くことになるとほのめかしながら。
自らの過去に戻ることを恐れ、怯えるマタ。
同じ頃、彼女は、偶然の出来事から運命の恋人に出会う。
戦闘パイロットのアルマンは、彼女の孤独な心を揺らし、二人は、ともに美しい夜明けのパリを眺め、人生を語り合う。
一方、ラドゥーの執拗な要求は続き、一度だけスパイをつとめる決心をしたマタ。
彼女の世話を続けてきた衣裳係のアンナの祈りの中、公演旅行でベルリンへ向かい、ドイツ将校ヴォン・ビッシング宅で、無事任務を遂行する。
しかし、謀略はすでにマタ・ハリの想像を超えて進み、アルマンへの愛に目覚めた彼女の運命を、大きく歪めようとしていた。
キャスト
マタ・ハリ 柚希礼音
ラドゥー 加藤和樹
アルマン 東啓介
ピエール 西川大貴
アンナ 和音美桜
ヴォン・ビッシング 福井晶一
感想
今回は、日本初演の未見作品であること、劇団四季時代に拝見していた大好きな栗原さんや福井さんが出演されることから、観劇することにしました。
国際フォーラムCホール、3階席後方から観劇しました。
音楽ですが、ワイルドホーンらしい叙情的な旋律を楽しめました。
人物の感情を吐露するシーンが情熱的な歌で表現されていましたね。
柚希礼音さんはお初にお目にかかりましたが、全身からpositive なパワーがあふれ出ていて、マタのセクシーな衣裳がよくお似合いでした。
マタの切ない恋心を歌いあげる場面には感動しました。
加藤和樹さんは、ますますミュージカル俳優が板についてきて、歌声も素晴らしかったです。
今回は主人公の敵役と恋人役の二役を演じ分けるという、なかなかハードなスケジュールですが、私がみた回ではラドゥーを熱演されていました。
加藤アルマンでも観てみたくなりました。
栗原さんと福井さんは、一幕は「どこだろう…?」と探してしまいましたが、途中から見つけられました笑。
やはり骨太の元四季さんがいらっしゃると安心感があります。
舞台全体の印象ですが、照明やカーテン、舞台装置を使い、大勢のキャストながらまとまりよく、非常に見応えのあるものに仕上がっていました。
ラストシーンの青いベールが舞台全体を覆い尽くす場面が印象的で、ジャワ語で朝日という意味のマタ・ハリとは対照的な色合いで、彼女の最期を表したのかなと思いました。
マタ・ハリという人物は、この観劇を機に知りましたが、川島芳子とよく似た人生だなと思ってしまいました。
川島芳子といえば、四季の『李香蘭』、今年4月上演予定とのこと。
こちらも楽しみです。