『ONCE ダブリンの街角で』とは
映画の撮影前からthe swell seasonsとして活動していたミュージシャンのグレン・ハンサードとマルケタ・イルグロヴァの2人が主演し、映画のオリジナル曲の全ての作曲と演奏を行っている。
楽曲「Falling Slowly」は第80回アカデミー賞歌曲賞を受賞し、サントラは全米チャート2位、グラミー賞ノミネートと好評であった。
この映画を元に同名のミュージカルが制作され、2012年にブロードウェイで初演された。
あらすじ
ダブリンのストリートミュージシャンである30代の"男"がいつものように歌っていると、チェコ移民の花売りの"女"が"男"の歌に惹かれて近づいてくる。
"女"と"男"が音楽を通して距離を縮めていく様子が描かれていく。
キャスト
男 グレン・ハンサード
女 マルケタ・イルグロヴァ
ティミー(ドラマー) ヒュー・ウォルシュ
リード(ギタリスト) ゲリー・ヘンドリック
ベーシスト アラスター・フォーリー
エイモン ゲオフ・ミノゲ
男の父 ビル・ホドネット
女の母 ダヌシュ・クトレストヴァ
感想
ダブリンを舞台に、手持ちのラフな撮影で、音楽を通した男女の束の間の心の触れ合いが描かれています。
2人ともミュージシャンであり、下手に演技している感じがない、自然な演技で、何かドキュメンタリーを見ているような錯覚に陥りそうになるような作品です。
実際に、この作品の制作中にプライベートでも互いに惹かれあっていたという2人。
時折見られる様々な恋する表情は、演技ではなかったのかも。
アカデミー賞を受賞した「Falling Slowly」をはじめ、楽曲がとにかく素晴らしいです。
歌詞を何度も味わいながら聴きたくなります。
そして、2人の歌声が優しく、時に強く、心に響きます。
楽器店に入り、女がピアノ、男がギターで「Falling Slowly」を歌うシーンは初めて見た時鳥肌が立ちました。
I don't know you, but I need you.
この曲が最後にrepriseするときは、また違った感慨に浸ってしまいました。
この辺りを説明するとネタバレになってしまうので。
ブロードウェイでミュージカル化される時は、映画で主演した2人も制作に携わり、その年のトニー賞8部門受賞の快挙を成し遂げました。
まだ見たことがないので、いつか見たいですね。
↓ブロードウェイミュージカル『Once』のトニー賞授賞式でのパフォーマンス