ミュージカルは終わらない Musicals won't be over.

舞台ミュージカルを中心とした、ミュージカル映画、演劇、オペラに関するブログ

『ノートルダムの鐘(1996)』The Hunchback of Notre Dame

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ノートルダムの鐘』とは

1996年公開のディズニーによるミュージカルアニメ映画。

ディズニールネサンスの一つ。

音楽は『美女と野獣』『アラジン』などのアラン・メンケンが担当。

日本では放送コードに抵触するため、オープニングシーンではThe Bells of Notre Dameに変更されている。

吹き替えは劇団四季の俳優陣が担当している。

本作は舞台化され、1999年にベルリンで初演、その後、2014年にサンディエゴで上演されたが、ディズニー・シアトリカル・プロダクションの最終判断でブロードウェイ上演には至らなかった。

日本では劇団四季により2016年12月に上演。

あらすじ

舞台は中世のパリ。空高くそびえ立つノートルダム大聖堂の鐘楼に、カジモドという心優しい鐘つき男がひとりぼっちで暮らしていた。

冷酷な判事フロローに育てられた彼は鐘楼の外へ出ることを許されず、いつも頭の上から街を眺めては自由を夢見ていた。

そして、年に一度の道化の祭りの日、愉快な石像ガーゴイルたちに励まされ、ついに塔を抜け出す。

生まれて初めての華やかな世界。

カジモドは自由を愛し強く生きるジプシーの娘エスメラルダと出会い、初めて友情を知り、そして自らの運命を変えてしまうような冒険に引き込まれていく。

キャスト(声の吹き替え)

カジモド トム・ハルス(石丸幹二

フロロー トニー・ジェイ(日下武史、歌:村俊英)

エスメラルダ デミー・ムーア(保坂知寿

フィーバス ケビン・クライン(芥川英司)

クロパン ポール・カンデル(光枝明彦)

ユーゴ ジェイソン・アレクサンダー(治田敦)

ヴィクトル チャールズ・キムブロー(今井清隆

ラヴァーン メアリー・ウィックス(末次美沙緒

カジモドの母 メアリー・ケイ・バーグマン(末次美沙緒

司祭 デヴィッド・オグデン・スティアーズ(松宮五郎、歌:佐川守正)

野蛮な兵士 コーリー・バートン(渋谷智也)

とんまな兵士 ビル・ファッガーバッケ(味方隆司)

感想

この作品も、ディズニー作品の中で指折りで好きなものの一つです。

ヴィクトル・ユーゴーの原作とはラストシーンが異なり、ディズニーらしい脚色になっているのですが、これはこれ、あちらはあちら、と割り切って観ていただきたいです。

この映画も、アラン・メンケンの手がけた他のディズニー作品同様、ミュージカルになっていますが、ノートルダム寺院が中心の作品であるため、全体的に宗教音楽のような厳かな曲調で、他の作品とは異なった趣があります。

特に、冒頭のノートルダム寺院のクローズアップからのオープニング曲は圧巻です。

この一曲でカジモドのおおまかな生い立ちが、クロパンによって明かされます。

その後も、クロパンはこの物語を子供達に伝えるという人形劇屋として物語をリードし、また、ジプシーのかしらとして登場します。

本作は吹き替えを劇団四季の俳優が担当していますが、やはりカジモドの石丸幹二さんはハマリ役と言えるでしょう。

「Out There」はオープニングと並んでこの作品の白眉ですが、寺院の中に閉じこもっているカジモドが外の世界への憧れを歌う一曲です。


Out There - The Hunchback of Notre Dame

この曲中の街の人々の中に、『美女と野獣』のベルがいることは有名な話ですね。

毎回目で追ってしまいます。

確かに、同じフランスを扱ったお話ですが、ベルが住むのは田舎町であり、パリのど真ん中にいるというのは考えづらいですが、製作者のファンに対する嬉しいサービスですね。

現在、劇団四季で断続的に上演されている舞台版では、ラストがより原作に近くなっています。

また、日本語歌詞もアニメ版とはかなり異なっており、それぞれ私は好きです。

カジモドはやはり石丸さんの声に馴染んでしまったため、石丸さんに演じてもらいたかったという気持ちが強いですが。

今でも何回も繰り返し見る作品なので、未見の方はぜひ。