『ウエストサイド物語』とは
1957年にブロードウェイで初演されたミュージカルを映画化したもの。
代表的なミュージカル映画であり、多くの著名人にも影響を与えた作品として知られる。
音楽はレナード・バーンスタイン、作詞は若き日のスティーブン・ソンドハイムによる。
あらすじ
アメリカ人非行グループであるジェット団とプエルトリコからの移民の非行グループであるシャーク団は広場の占有権を巡ってライバル関係にあった。
ジェット団のリーダーであるリフは、体育館でのダンスパーティーで、シャーク団に決闘を申し込むことに決める。
リフは決闘には、ジェット団の元リーダーであり、無二の親友であるトニーが適役であると仲間に話す。
トニーは既に不良から足を洗い、ドックのドラッグストアで働いていた。
リフからの誘いを受け、ダンスパーティーに行ったトニーは、そこでマリアと出会い恋に落ちる。
しかし、マリアはシャーク団のリーダーであるベルナルドの妹だった。。。
キャスト
トニー リチャード・ベイマー
ベルナルド ジョージ・チャキリス
リフ ラス・タンブリン
ドック ネッド・グラス
シュランク警部補 サイモン・オークランド
クラプキ巡査 ウィリアム・ブラムリー
ダンスホールの指導員 ジョン・アスティン
感想
中学時代、出身高校のある部活の定期公演のウエストサイド物語を見て、絶対にその高校でミュージカルをやろうと思って受験勉強をしたのを覚えています。
女子校だったので、宝塚風で女性が男役を演じていたのですが、トニー役をされていた先輩の「マリア」が忘れられません。
最近、ブルーレイボックスを購入して改めて観ましたが、今から半世紀以上前の映画だとは思えません。
音楽、ダンス、演技、キャスティング、演出、どれをとっても秀逸です。
今回見直して思ったのは、夜間の演出。
この物語はたった2日間の出来事を描いたもの。
メインイベントであるトニーとマリアの出会いや「トゥナイト」、決闘など、全て夜間に行われています。
そのため、夜の情景では不自然にならない照明がとても難しいと思うのです。
特に「マリア」の場面で顕著ですが、レンガ状の石が敷き詰められている通りを歩くシーンで、敷石に光を当てて間接的に明るくする手法を取っていて、とても印象的でした。
以前見たときは当たり前だと思っていたシーン一つ一つが、よく錬られていると感じたり、見る年齢によって色々な受け取り方ができる奥深い作品ですね。
また、プエルトリコ系役のキャストが美形揃い。
思わず、見とれてしまいました。
多くのミュージカル映画の例にもれず、本作でも歌声の吹き替えが行われています。
ナタリー・ウッドの吹き替えは、『マイ・フェア・レディ』のオードリー・ヘップバーンなどを担当したことで有名なマーニ・ニクソンです。
ナタリー・ウッドは自分の歌声が吹き替えられることはつゆ知らず撮影に臨んでいたそうで、撮影終了後、吹き替えの話を聞いて激怒したそうです。
このことで、ナタリー・ウッドは次のミュージカル映画出演作『ジプシー』で、自分の歌声を披露していますが、この作品は残念ながら日本でDVD化されていません。
映画中、何回も出てくる「Beat it!」。
「くたばれ!」とか「うせろ!」とかいう意味ですが、マイケル・ジャクソンの「Beat it!」はここから来ているとか。
他にも、いろいろ書きたいことがあるので、随時書き足していこうと思います。