ミュージカルは終わらない Musicals won't be over.

舞台ミュージカルを中心とした、ミュージカル映画、演劇、オペラに関するブログ

『コンチネンタル(1934)』The Gay Divorcee

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『コンチネンタル』とは

1934年公開のアメリカのミュージカル映画

1932年ブロードウェイ初演の同名ミュージカルを映画化したもの。

舞台版の音楽はコール・ポーターによる。

しかし、「Night and Day」以外の楽曲は全て差し替えられた。

ミュージカル映画黄金期を代表するフレッド・アステアジンジャー・ロジャースのカップルの初主演映画。

原題の直訳は、陽気な離婚、であるが、邦題はこの映画を代表する曲名からつけられた。

あらすじ

ガイ・ホールデンはパリからロンドンへ帰る途中、税関である女性に出会う。服がトランクに挟まれて困っているところをガイは救ってやり、彼女に一目惚れしてしまう。ところが彼女は名前も告げず立ち去ってしまう。ロンドン中を捜しまわり、ある日偶然彼女と会うが、ミミという名前だけ教えられただけでまた逃げられてしまう。実は、ミミは親友エグバートの法律事務所に離婚の相談をするために来ていたのだった。エグバートは全くそのことに気づかず、事態は誤解に次ぐ誤解による喜劇を呈していく。

キャスト

ガイ・ホールデン フレッド・アステア

ミミ ジンジャー・ロジャース

ホーテンス アリス・ブラディ

エグバート エドワード・エヴェレット・ホートン

トネッティ エリック・ローズ

感想

アステア&ロジャースのコンビとしての初主演映画!

コール・ポーターの美しい旋律が、アステア&ロジャースのカップル誕生を祝福しているかのようです。

フレッド・アステアのようにエレガントに踊りたいと思って、ダンスを始めたという経緯もあり、アステアの作品はよく観ています。

この映画の白眉は何と言っても、「Night and Day」の2人のダンスでしょう。

この場面は『ザッツ・エンターテイメント』でも言わずもがな取り上げられている、ミュージカル映画を語る上で欠かすことのできない場面です。

最初は拒絶しているミミが徐々にガイを受け入れ、2人で踊る場面は、何とも言えずうっとりしてしまいます。


Fred Astaire & Ginger Rogers - Night And Day, The Gay Divorcee, 1934

また、「Continental」はアカデミー賞主題歌部門賞を受賞しました。

こちらは華やかなナンバーですね。

しっとりした「Night and Day」とは対照的です。


Fred Astaire & Ginger Rogers - The Continental, The Gay Divorcee, 1934

たくさんのダンサーがいたにも関わらず、なぜ2人の名前がここまで残っているのか。

一概には言えませんが、個人的には、アステアのダンサーとしての能力が傑出していて、そのアステアにロジャースの女性としての華やかさが加わった、という印象を持っています。

アステア&ロジャースの作品は他にもたくさんあるので、順次書いていきたいと思います。

なお、この映画のお話は、勘違いに次ぐ勘違いで、結構笑えるので、ぜひご覧ください。