ミュージカルは終わらない Musicals won't be over.

舞台ミュージカルを中心とした、ミュージカル映画、演劇、オペラに関するブログ

『若草の頃(1944)』Meet Me in St. Louis

若草の頃』とは

若草の頃』(英名:Meet Me In St. Louis)は、1944年MGM(メトロ・ゴールドウィン・メイヤー)制作のミュージカル映画
主演は、『オズの魔法使い('39)』のドロシー役でおなじみのジュディ・ガーランド
当時22歳のジュディ・ガーランドがとても生き生きと好演しています。
この映画をきっかけに、ジュディは監督のヴィンセント・ミネリと生涯2度目の結婚をしています。
(かれらの娘が、のちの大女優ライザ・ミネリ
「Have Yourself A Merry Litle Christmas」など、印象的な楽曲が多いです。
これらの楽曲は、プロデューサーであるアーサー・フリードによるもので、彼はこの後も、MGMのミュージカル映画と深く関わっていきます。

あらすじ
万国博覧会を翌年に控えたセントルイスに住む、祖父と両親、1男4女の中流家庭が舞台。
長女や次女はお年頃で、次女のエスターは隣の家のジョンに夢中。
万博への期待感が高まりつつあるクリスマスのこと、父親の仕事の都合で、一家はニューヨークに移住することが決まる。
地元での万博開催を前にし、しかも何より、セントルイスという地に慣れ過ぎてしまっている一家にとっては、とてもつらい出来事だった。
エスターは、ジョンと離れ離れになってしまう。
家族の深い悲しみを知った父は…

キャスト・スタッフ

監督…ヴィンセント・ミネリ

次女・エスタージュディ・ガーランド
四女・トゥーティ…マーガレット・オブライエン
長女・ローズ…ルシル・ブレマー
三女・アグネス…ジョーン・キャロル
母・アンナ…メアリー・アスター
ジョン…トム・ドレイク

感想

ジュディ・ガーランドのための映画、という印象。
美しいし、演技も面白いし、歌も上手い。
この映画中に出てくる楽曲のほとんどをジュディが歌っています。
さすがです。

監督はのちのジュディの夫、ヴィンセント・ミネリですからね。

ミネリ監督がジュディに夢中なのが映像から伝わってくるようです。

ちなみに、彼らの娘がライザ・ミネリです。

今から60年も前の作品とは、とても思えないほど、演出が凝っていました。
路面電車で陽気に歌う場面や、その時代の華やかな衣装の数々、そして、美しい四季の移り変わりなど。


Judy Garland - The Trolley Song (Meet Me In St. Louis, 1944)


制作は60年前ですが、作品の中の時代は、今から100年前(1903年くらい)なので、
確かに、万博を楽しみに待つ様子というのは、交通網の発達した現代では、よくわからない感覚です。

その他は、四女役の子役のマーガレット・オブライエンの演技が、予想以上に素晴らしかったです。
ローウィンで怖そうなオジサンに睨まれて一目散に逃げてくる場面や、
ニューヨーク行きが決まり、庭に雪だるまを残していくのが惜しくなり、狂乱的に雪だるまをぶち壊したりする様は、とても7歳とは思えない迫真の演技でした。
あとで調べてみたところ、やはり、この映画でアカデミー子役賞を受賞していました。

クリスマスのスタンダードナンバーとなった「Have Yourself a Merry Little Christmas」↓来年は今の悲しみ、苦しみもなくなっているわ♪と歌うジュディ


Judy Garland - Have Yourself A Merry Little Christmas (Meet Me In St. Louis, 1944)

密かに想いを寄せる隣の家の男の子を思って歌うナンバー「Boy Next Door」。ジュディが可愛すぎます。ミネリ監督も惚れるわけですね。


The Boy Next Door - Meet Me In St. Louis (1944)