ミュージカルは終わらない Musicals won't be over.

舞台ミュージカルを中心とした、ミュージカル映画、演劇、オペラに関するブログ

『ブロードウェイ・メロディ』(1929)The Broadway Melody

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ブロードウェイ・メロディとは

『ブロードウェイ・メロディ』は、1922年MGMによる第一作目のミュージカル映画で、
全編トーキー(有声)によるミュージカル映画としては、世界初!
第2回アカデミー作品賞を受賞しています。
この作品を代表するタイトル曲は、この後のMGMミュージカル映画の楽曲・制作に大きく関わってくるアーサー・フリードによるものです。
続編には、『踊るブロードウェイ('35)』『踊る不夜城('37)』『踊るニューヨーク('40)』があります。
(※『踊るニューヨーク』は『踊る大紐育('44)』とは全く異なる作品です。)
この作品の制作過程が、ミュージカル映画雨に唄えば('52)』の中に登場しています。

 

あらすじ
エディは自身が作曲した「ブロードウェイ・メロディ」という曲を武器に売り込み、人気歌手となっていた。
そこへ、エディを頼り、田舎からニューヨークへ夢を追って、マホーニー姉妹が上京してくる。
姉のハンクは、エディの恋人で、真剣な交際を続けていた。
エディは、姉妹を自身の歌う「ブロードウェイ・メロディ」のバック・コーラスに採用しようと考えていた。
当初は、上司の意向で、妹のクィニーしか採用されなかったが、どうにかハンクも役を得ることができることになる。
その間に、エディの心は、少女から美しい大人の女性に成長していたクィニーに動いていた。
クィニーもエディに気があったが、いつも自分に対して献身的な姉を思い、わざとエディに対してつらく当たり、女癖の悪い富豪と付き合うようになる。
エディとクィニーの気持ちを見抜いた姉・ハンクは・・・

 キャスト・スタッフ

監督…ハリー・ボーモンド

ハンク…ベッシ―・ラヴ
クィニー…アニタ・ペイジ
エディ…チャールズ・キング
ザンフィールド…エディ・ケイン
ジャック…ケネス・トンプソン

感想

主演の、この“マホーニー・シスターズ”なんですが、最初歌声を聴いた時、
「・・・・・(?_?)」
と思ってしまいました。
田舎から出てきた設定とはいえ、あまりにも…その……下手すぎます。
ひとりひとりが上手くないのだから、2人合わさったハーモニーは、もはやちょっと聴けない感じ。
これは、まだこの時代は、ハリウッドにブロードウェイの俳優が参入していなかったためらしいです。

でも、演技はやはり良かったです。
思いやりがすれ違う様子など、伝わってくるものがありました。

『ブロードウェイ・メロディ』というタイトルだったので、
華々しいブロードウェイのミュージカルを連想していましたが、
実際には、それほど大きくない劇場で興行されるレビュー形式のショーにまつわる物語であって、それほど THE ブロードウェイミュージカル!、という華やかな印象は受けませんでした(モノクロだったせいもあったのかもしれません)。

世界初の全編トーキーのミュージカル映画であり、MGMミュージカルの幕開けの作品ということで、一見の価値ありですが、
単調な場面が多くて、少々飽きてしまう危険性が高いかもしれません。

フィナーレが、どうも腑に落ちないというか、すっきりしないので、
ぜひ続編も観てみたいと思っています。
ただ、2つ目の続編である『踊る不夜城』のDVDやVHSは、どうやら日本では発売されていないようで、とても残念です。


The Broadway Melody - 1929