ミュージカルは終わらない Musicals won't be over.

舞台ミュージカルを中心とした、ミュージカル映画、演劇、オペラに関するブログ

「南十字星」 2008年8月 ★★★☆☆ 劇団四季

  B・C級戦犯の悲劇を描いた、「南十字星

8月某日、学校の方も一段落し(but, 夏休み中に再試があるが)、千秋楽(8月3日)間近の、昭和三部作の最終章「南十字星」を観劇しに行ってまいりました。
昭和三部作、「李香蘭」につづき、観るのは二作目。
「異国の丘」は、断念。次回に期待します。
南十字星」を観るのは、今回が初めてでした。

 

ストーリーなどは、劇団四季 ステージガイド「南十字星」で確認してください☆

 

【演出・舞台装置】
◆ステージが割れて、水が・・・w(@o@)w
 最初に驚いたのは、ステージが割れ、その下から水をはった面が現れた場面。
 実際に、数名の女優さんが足首くらいまで水に浸かって、田植えの演技をされていました。
 単純に、気持ちよさそ~ぅ、なんて思っちゃいました。

 

インドネシアの雰囲気を醸し出す、音楽と舞、艶やかな衣装
 インドネシア特有の楽器の演奏に合わせて動く、影絵による劇は、何を表現しているのか、よくわからなかったですが、興味深かったです。
 中間部に登場する、インドネシアを思わせる、独特の獅子舞風の舞、また、艶やかな色合いの衣装を身にまとったリナ(主人公のインドネシア人女性)の舞踊は、本当に素晴らしかったです。
 獅子舞風の舞は、きっと、日本とインドネシアが共通の文化的側面を持っていることを強調したかったんでしょう。

 

◆バルコニーからだと見えなかった、南十字星
 バルコニーだったので、タイトルにもなっている、南十字星の、4つの星のうち、2つしか見えませんでした。
 バルコニーだから、しょうがないですねf^_^;

 

【全体の流れと、私が受け取ったメッセージ】
 この作品が結局言いたいところは、戦犯として扱われた日本人のなかには、ごく一般的な、むしろ人間的に素晴らしい人々も多くいた、そういった尊い犠牲を忘れてはならない、ということだと、私は受け取りました。
 戦争は虚しい、二度と繰り返したくない、と、月並みな表現ですが、改めて思いました。
 
【全体を通して】★★★☆☆(←極めて個人的な評価ですw)
 インドネシア風のユニークなダンスや衣装を観るだけでも、このミュージカルは観る価値があると思います。
 音楽については、間奏曲をはじめ、随所にちりばめられている「祖国」の哀愁漂うメロディー、「ブンガワンソロ」の2曲が良曲。
 ⇒楽曲の視聴・CD購入は こちら からできます。

 

 ストーリーとしては、保科とリナの関係があっさりしすぎていたという印象。
 もうちょっと、保科とリナの絡みが欲しかったような。
 でも、時代が時代だから、こんなプラトニックラブでいいのかもしれませんが。
 普段はミュージカルに縁の無い、高齢の方(平たく言えば、おじーちゃん、おばーちゃん)と一緒に行くのに、適している作品だと思います。
 私も、この作品の話で、ミュージカルに興味の無い父と、深夜まで語り合っちゃいましたo(^u^)

 

【私が行った日の主要キャスト】
 保科勲…阿久津陽一郎
 リナ・ニングラット…樋口麻美
 島村中将…田代隆秀
 原田大尉…鈴木周
 塚本少尉…池田英治
 ニングラット博士…武見龍磨
 ルアット・ニングラット…内田圭
 ニルワン…小出敏英
 キキ…山中由貴
 オットー・ウィンクラー…吉賀陶馬ワイス
 原田春子…都築香弥子
 岡野教授…維田修二

 

【基本データ】
 会場:四季劇場 秋
 入場料:2100円(バルコニー席・学生料金)
 上演時間:約2時間40分
 上演期間:2008年7月13日(日)~8月3日(日)

 

 演出:浅利慶太
 台本:劇団四季文芸部 ほか
 作詞:浅利慶太
 作曲:三木たかし
 振付:加藤敬二
 美術:土屋茂昭
 照明:沢田祐二
 衣裳:小林巨和
 音楽監督:鎮守めぐみ
 編曲:寺嶋民哉 ほか
 ガムラン音楽製作:和田啓