ミュージカルは終わらない Musicals won't be over.

舞台ミュージカルを中心とした、ミュージカル映画、演劇、オペラに関するブログ

『はじまりのうた(2013)』Begin Again

f:id:urara1989:20180218135608j:image

『はじまりのうた』とは

2013年公開のアメリカの音楽映画。

 監督・脚本は『ONCE ダブリンの街角で』のジョン・カーニー。

当初は5館のみでの公開だったが、口コミで評判が高く、全米1300館にまで広がった。

劇中歌「Lost Stars」はアカデミー賞歌曲賞にノミネートされた。

あらすじ

シンガーソングライターのグレタは、制作した曲が映画に採用されたボーイフレンドのデイヴとともに、イギリスからニューヨークにやって来たが、デイヴの浮気により打ちのめされる。

友人のスティーヴは、傷心のグレタを励まし、ライブバーに連れて行き、無理矢理ステージに上げる。

嫌々ながらもステージで自分のつくった歌を歌うグレタの姿が、落ち目の音楽プロデューサー、ダンの目にとまる。

ダンはグレタに一緒にアルバムをつくろうと持ちかける。

ダンは、以前はグラミー賞を受賞するアーティストを発掘するなど、業界では有名なプロデューサーだったが、現在は歌手だった妻に浮気され、事務所も解雇され、寂しく別居生活を送っていた。

デモテープをつくるにもスタジオを借りるお金がない二人は、路上で収録することを思いつく。

若手のアーティストや路上の子どもたち、さらに娘バイオレットをも巻き込んだ収録は、疎遠だったダンの家族を再び引き寄せるのだった。

留守番電話に吹き込まれたグレタからの歌をきき、デイヴは急いでグレタに連絡を取り、自分の犯したことを詫び、もう一度やり直したいと言う。

心から謝るデイヴに考え直そうとするグレタだったが…


Begin Again Official Trailer #1 (2014) - Keira Knightley, Adam Levine Movie HD

キャスト

グレタ  キーラ・ナイトレイ

ダン  マーク・ラファロ

バイオレット  ヘイリー・スタインフェルド

デイヴ  アダム・ラヴィーン

スティーヴ  ジェームズ・コーデン

サウル  ヤシーン・ベイ

トラブルガム  シーロー・グリーン

ミリアム  キャサリン・キーナー

感想

初めて観た時、こんなに素晴らしい映画があるんだと感動したのを覚えています。

ニューヨークの街並み、人との出会いの素晴らしさ。

『ONCE〜』と同じように、年の離れた(親子までは離れていないけれど)男女の友情以上恋人未満の関係性のもどかしさ、喜びを、絶妙なバランスで描いています。

決して『ONCE〜』の二番煎じではありません。

マルーン5のアダム・ラヴィーンの歌が上手いのは言うまでもないことですが、キーラ・ナイトレイも歌える女優さんです。

マーク・ラファロは程よい落ちぶれ感と楽観性がある愛すべきおじさまを熱演しています。

そして「Lost Stars」は鳥肌が立つほどの名曲です。

字幕を見ながら久々に泣きました。

また、この映画で最高なシーンは、二人がお互いのiPodに入っているプレイリストを一緒に聴きながら、夜のニューヨークを闊歩する場面。

プレイリストって、まず他人に見せないですし、だからこそその人らしさが一番表れている部分なのかもしれませんね。

それまであくまで音楽の共同制作者だった二人が、音楽を通して自分をさらけ出すことで、急速に距離を縮めるのですが、このシーンを観て笑顔にならない人なんていないのではないでしょうか。

因みに、プレイリストに入っている音楽は次の通り。

こちらは、ミュージカル『野郎どもと女たち』からの一曲ですね。

初期のスティービーの作品。

言うまでもなく映画『カサブランカ』より。

後日、グレタが二人でiPodが聴けるこの接続器をダンに送り、ダン夫妻の仲が縮まったのは微笑ましかったですね。

エンドクレジットまで含めて、無駄がなく、気持ちよく観られる、奇跡的な作品と言えるかもしれません。

『グレイテスト・ショーマン(2017)』The Greatest Showman

f:id:urara1989:20180218002230j:image

グレイテスト・ショーマン』とは

2017年(日本では2018年)公開のアメリカのミュージカル映画

19世紀に活躍した興行師フィニアス・テイラー・バーナム、通称P・T・バーナムの人生を描いた伝記映画でもある。

音楽は、『ラ・ラ・ランド』などを手がけたベンジ・パセック、ジャスティン・ポールのコンビによるもの。

「The Greatest Show on Earth」とは1952年の映画のタイトルだが、元々はリングリング・ブラザーズ・アンド・バーナム・アンド・ベイリー・サーカスの宣伝文句であり、ここから本作のタイトルはつけられた。

監督はマイケル・グレイシー。

あらすじ

19世紀半ばのアメリカ、コネチカット州

貧しい仕立て屋の息子として生まれた少年少年P・T・バーナムは、裕福な家の娘チャリティに恋をする。

幼いながらも惹かれ合う二人だが、身分の違いから結ばれることは叶わない。

その後、親を亡くしたバーナムは都会に出て鉄道会社の仕事に就き、改めてチャリティに結婚を申し込むのだった。

数年後、バーナム夫妻には可愛い二人の娘に恵まれ、貧しいながらも心は満たされた幸せな日々を送っていた。

ある日、会社が倒産し、職を失ったバーナムは、海に沈んだ船の登録証を担保に銀行から融資を受け、マンハッタンの一角に、バーナムのアメリカ博物館を始める。

蝋人形や動物の剥製を置いた博物館は人気が出ず、バーナムは娘のアイデアをヒントに「ユニークな人々」を探すことに。

低身長の親指トム将軍やヒゲの生えた女性歌手レティ、空中ブランコが特技のアンとW.D.のウィーラー兄妹などパフォーマーが出演するショーを始める。

彼らのショーは一躍有名になるが、そのショーは社会には認められれず、反対するものも少なくなかった。

この状況にバーナムは苦悩するが、相棒のフィリップの協力によりショーの仲間を連れてビクトリア女王に拝謁することができた。

そこで彼はオペラ歌手のジェニー・リンドと出会い、彼女のアメリカ公演を成功させれば、今度こそ陽の目を見ることができると考えたバーナムは、フィリップにサーカスを譲り、ジェニーの公演に全てを注ぐことを決意する。

成功に取り憑かれたバーナムと心の充足を求める妻チャリティはすれ違うようになり、見捨てられたと感じたパフォーマー達の心もバーナムから離れていくのだった。

キャスト

バーナム ヒュー・ジャックマン

チャリティ ミシェル・ウィリアムズ

フィリップ ザック・エフロン

アン ゼンデイヤ

ジェニー・リンド レベッカ・ファーガソン

レティ キアラ・セトル

W.D.ウィーラー ヤーヤ・アブドゥル=マティーン2世

感想

公開初日、仕事終わりに観てきました。

まず、trailerから。ちょっぴり長めです。


THE GREATEST SHOWMAN Trailer 2 (Extended) 2017

冒頭から鳥肌が。

少年時代に遡り、バーナムの人生が描かれていきます。

魅せ方が好きだったのは、

チャリティと一緒になって、建物の屋上で二人で踊るシーン、

洗濯物を光でテラスシーン、

あとは何と言ってもこの映画の大切なテーマの一つである「This is Me」。

「This is Me」は、お堅い上流社会に、個性的な面々が「私は立ち上がる。私は屈しない。これが私。」と、自分らしさを高らかに歌い上げる爽快な一曲です。

思わず体が動き出してしまいました。

バーナムがフィリップを火事から救い出す場面では、「Bring Him Home」が流れてきてしまったのは私だけではなかったはず。

もうヒュー・ジャックマンザック・エフロンが、バルジャンとマリウスですよね。

音楽は上記のコンビですが、ビルボードのアルバムチャートで1位を獲得するなど、ヒットを記録しています。

それにしても、ヒュー・ジャックマンはどこまで凄いのでしょう。

やはり彼のミュージカルというとブロードウェイミュージカル『Boy from Oz』で、それまで歌なし映画のイメージしかなかったため、その時ちゃんと歌も歌える人なんだと思ったのですが、その後もミュージカル映画レ・ミゼラブル』でその才能を世界に証明しました。

この作品でも、そんな彼の素晴らしさが遺憾なく発揮されています。

さらに、『ハイスクールミュージカル』や『ヘアスプレー』のエフロンも久々のミュージカル出演になるのかしら。

また、ニューヨークに行きたくなりました。