ミュージカルは終わらない Musicals won't be over.

舞台ミュージカルを中心とした、ミュージカル映画、演劇、オペラに関するブログ

『グレイテスト・ショーマン(2017)』The Greatest Showman

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グレイテスト・ショーマン』とは

2017年(日本では2018年)公開のアメリカのミュージカル映画

19世紀に活躍した興行師フィニアス・テイラー・バーナム、通称P・T・バーナムの人生を描いた伝記映画でもある。

音楽は、『ラ・ラ・ランド』などを手がけたベンジ・パセック、ジャスティン・ポールのコンビによるもの。

「The Greatest Show on Earth」とは1952年の映画のタイトルだが、元々はリングリング・ブラザーズ・アンド・バーナム・アンド・ベイリー・サーカスの宣伝文句であり、ここから本作のタイトルはつけられた。

監督はマイケル・グレイシー。

あらすじ

19世紀半ばのアメリカ、コネチカット州

貧しい仕立て屋の息子として生まれた少年少年P・T・バーナムは、裕福な家の娘チャリティに恋をする。

幼いながらも惹かれ合う二人だが、身分の違いから結ばれることは叶わない。

その後、親を亡くしたバーナムは都会に出て鉄道会社の仕事に就き、改めてチャリティに結婚を申し込むのだった。

数年後、バーナム夫妻には可愛い二人の娘に恵まれ、貧しいながらも心は満たされた幸せな日々を送っていた。

ある日、会社が倒産し、職を失ったバーナムは、海に沈んだ船の登録証を担保に銀行から融資を受け、マンハッタンの一角に、バーナムのアメリカ博物館を始める。

蝋人形や動物の剥製を置いた博物館は人気が出ず、バーナムは娘のアイデアをヒントに「ユニークな人々」を探すことに。

低身長の親指トム将軍やヒゲの生えた女性歌手レティ、空中ブランコが特技のアンとW.D.のウィーラー兄妹などパフォーマーが出演するショーを始める。

彼らのショーは一躍有名になるが、そのショーは社会には認められれず、反対するものも少なくなかった。

この状況にバーナムは苦悩するが、相棒のフィリップの協力によりショーの仲間を連れてビクトリア女王に拝謁することができた。

そこで彼はオペラ歌手のジェニー・リンドと出会い、彼女のアメリカ公演を成功させれば、今度こそ陽の目を見ることができると考えたバーナムは、フィリップにサーカスを譲り、ジェニーの公演に全てを注ぐことを決意する。

成功に取り憑かれたバーナムと心の充足を求める妻チャリティはすれ違うようになり、見捨てられたと感じたパフォーマー達の心もバーナムから離れていくのだった。

キャスト

バーナム ヒュー・ジャックマン

チャリティ ミシェル・ウィリアムズ

フィリップ ザック・エフロン

アン ゼンデイヤ

ジェニー・リンド レベッカ・ファーガソン

レティ キアラ・セトル

W.D.ウィーラー ヤーヤ・アブドゥル=マティーン2世

感想

公開初日、仕事終わりに観てきました。

まず、trailerから。ちょっぴり長めです。


THE GREATEST SHOWMAN Trailer 2 (Extended) 2017

冒頭から鳥肌が。

少年時代に遡り、バーナムの人生が描かれていきます。

魅せ方が好きだったのは、

チャリティと一緒になって、建物の屋上で二人で踊るシーン、

洗濯物を光でテラスシーン、

あとは何と言ってもこの映画の大切なテーマの一つである「This is Me」。

「This is Me」は、お堅い上流社会に、個性的な面々が「私は立ち上がる。私は屈しない。これが私。」と、自分らしさを高らかに歌い上げる爽快な一曲です。

思わず体が動き出してしまいました。

バーナムがフィリップを火事から救い出す場面では、「Bring Him Home」が流れてきてしまったのは私だけではなかったはず。

もうヒュー・ジャックマンザック・エフロンが、バルジャンとマリウスですよね。

音楽は上記のコンビですが、ビルボードのアルバムチャートで1位を獲得するなど、ヒットを記録しています。

それにしても、ヒュー・ジャックマンはどこまで凄いのでしょう。

やはり彼のミュージカルというとブロードウェイミュージカル『Boy from Oz』で、それまで歌なし映画のイメージしかなかったため、その時ちゃんと歌も歌える人なんだと思ったのですが、その後もミュージカル映画レ・ミゼラブル』でその才能を世界に証明しました。

この作品でも、そんな彼の素晴らしさが遺憾なく発揮されています。

さらに、『ハイスクールミュージカル』や『ヘアスプレー』のエフロンも久々のミュージカル出演になるのかしら。

また、ニューヨークに行きたくなりました。

『ビクター/ビクトリア(1982)』Victor Victoria

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『ビクター/ビクトリア』とは

1982年公開のアメリカのミュージカル映画

 監督は、主演のジュリー・アンドリュースの夫ブレイク・エドワーズ

アカデミー賞歌曲賞を受賞した。

舞台化されたものは、1995年にブロードウェイで初演された。

あらすじ

売れないソプラノ歌手のビクトリアは、ひょんなことからゲイの芸人トディーと手を組み、ドラッグクィーンの歌手ビクターとして売り出されることとなる。

最初は疑心暗鬼のビクトリアだったが、これが大ブレイクし、一躍時の人となる。

シカゴのギャングであるキングも彼女に魅せられる。

そんなキングにビクトリアもいつしか心惹かれていくが…


Victor/Victoria - Original Theatrical Trailer

キャスト

ビクトリア・グラント/ビクター・グラジンスキー伯爵  ジュリー・アンドリュース

キング  ジェームズ・ガーナー

トディー  ロバート・プレストン

ノーマ  レスリー・アン・ウォーレン

スクワッシュ  アレックス・カラス

アンドレ  ジョン・リス=デイヴィス

感想

サウンド・オブ・ミュージック』のマリア役や『メリー・ポピンズ』のメリー役でお馴染みのジュリー・アンドリュースが、中性的な役柄に挑戦しています。

それまで清純な優等生の役柄が多かったジュリーにとってはかなりの挑戦だったのではないかと思いますが、ご主人である監督の妻ジュリーへの愛情の深さを感じました。

ところどころ、少し長すぎる印象を受けることはありましたが、プロットがなかなかおもしろく、最後まで飽きずに観られました。

ドラマ『グリー』などでもカバーされている「Le Jazz Hot」は何度も繰り返して聴きたくなってしまう一曲。

とても楽しくて、もう本当に大好きです。


JULIE ANDREWS – Le Jazz Hot (1982, HD)

やはり、ジュリーはどう見ても女性にしか見えないのですが…

トディー役は、トニー賞を2度受賞しているロバート・プレストン、やはり名優です。

西部劇で活躍された、どちらかというと硬派な方がドラッグクィーンを演じるのには抵抗があったと思いますが、果敢に挑戦しています。

1995年には舞台化され、ジュリーはトニー賞主演女優賞にノミネートされますが、自分だけが目立ってはいけないと、これを辞退しています。

また、1997年に非腫瘍性の声帯結節の手術を受けた後、以前のような伸びやかな歌声を失ってしまったため、2018年現在、これが最後のブロードウェイ出演となっています。