ミュージカルは終わらない Musicals won't be over.

舞台ミュージカルを中心とした、ミュージカル映画、演劇、オペラに関するブログ

『マンマ・ミーア!(2008)』Mamma Mia!

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マンマ・ミーア!』とは

1999年ロンドン初演のミュージカルを映画化したもの。
楽曲は、ABBA(アバ)によって発表されたものを使用しています。
このように、もともとある曲を使ってつくられたミュージカルを「ジュークボックス・ミュージカル」や「カタログ・ミュージカル」と言いますが、この作品はその成功作として有名です。
ちなみに、「マンマ・ミーア!」という言葉の意味は、「おや、まあ!」という驚きを表わすものです。

あらすじ
エーゲ海に浮かぶ孤島で小さなホテルを経営するドナ。
彼女が女手一つで育てた愛娘・ソフィは、まもなくスカイと結婚式を挙げる。
ソフィは、自分の本当の父親が誰なのか知らなかった。
バージン・ロードを父親にエスコートしてもらうために、父親探しを始める。
ドナの昔の日記から父親候補を3人絞り出し、ドナには秘密で母親名義で結婚式への招待状を出すことに。。。

キャスト・スタッフ

監督…フィリダ・ロイド

ドナ・シェリダン…メリル・ストリープ
ソフィ・シェリダン…アマンダ・セイフライド
ロージー…ジュリー・ウォルターズ
ターニャ…クリスティーン・バランスキー
サム…ピアース・ブロスナン
ハリー…コリン・ファース
ビル…ステラン・スカルスガイド
スカイ…ドミニク・クーパー

感想

映画館で観ました。
ロンドンキャスト盤はi Podに入っているけれど、
まだ舞台は観ていないので、舞台と映画の比較はできませんでしたが、
率直な感想として、とても楽しめましたo(^^)o

舞台の映画化だと、楽曲が削除されて、代わりに芝居の量が増えるんですが、
この『マンマ・ミーア!』はそういったことがなく、終始ずーっと歌い続けている印象を受けました。
削除された楽曲でも、instrumentalでところどころに流れていました。

歌は、前奏があまりなくて、突然バンッ!と始まる感じが多かったです。
時間短縮の関係上、仕方なかったかもしれないけれど、少し違和感がありました。

ダンス・シーンも、多かったですね。
すごくミュージカル色が強くて、私はかなりハッピーだったけれど、
ミュージカル苦手の人は引いちゃうだろうな~、という場面も正直いくつかありました。

キャストについて。
個人的には、ドナのストリープさんが案外いい印象を受けました。
前に心配していた、『プラダを着た悪魔』の怖い編集長のおばさまのイメージが吹っ飛んで、
すっかり良いお母さんドナに。
歌も意外と歌えて、ドナ&ダイナモスのシーンでもノリノリで踊っていました。
さすが、女優さんですね。


アバのファンの方はもちろんだけれど、
私のように、このミュージカルでアバの素晴らしさを知る人も多いだろうなぁ、と思います。
奇跡的にストーリーと楽曲が一体化した、素敵なジュークボックス・ミュージカルなので、
多くの人に観てもらいたいです(^^)


Mamma Mia! The Movie Trailer (2008) - Great Quality!

『ブロードウェイ♪ブロードウェイ コーラスラインにかける夢(2008)』Every Little Step

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ブロードウェイ♪ブロードウェイ コーラスラインにかける夢』とは

この映画は、2006年にブロードウェイでリバイバル(再演)された『コーラスライン A Chorus Line』のオーディションの模様を、ドキュメンタリーにしたものです。
(残念ながら、この再演版は、2008年8月にクローズしました。)
「ふ~ん、そうなの。」という感じですが、この、ブロードウェイのオーディション風景を公にすることって、本当に珍しいことなんです。
現地では、組合組織がとても強い力を持っていて、こういった裏側を見せるためには、そういった組合の許可を得なければならなかったりと、いろいろと難しい。
だから、今まで、ブロードウェイの裏側を撮影した映像は、皆無に近いんじゃないかと思います。
そういった意味で、この映画は貴重です。

しかも、これは、『コーラスライン』のオーディション風景。
初演時は、約15年もロングランした、もはや伝説的な作品。
コーラスライン』のストーリーは、ご存知の方が多いと思いますが、まさに、ブロードウェイのミュージカルのアンサンブルのオーディション、そのもの。
だから、この映画は、“実録コーラスライン”とも言えるかと思います。

さらに、この『コーラスライン』の初演版で演出・振付・脚本を手がけた、マイケル・ベネットの、肉声を録音した大変貴重な資料が、ところどころ流れます。
残念ながら、マイケル・ベネットは、87年にエイズにより亡くなっていますが、その他の初演版に携わった人々たちが、今回の再演版をスタッフとして支えています。
彼らが、生前のベネットを偲びながら、『コーラスライン』が出来上がるまでの数々のエピソードを語っているのも、本当に興味深いです。

また、このオーディションでは、応募総数3000人の中から、19人が選抜されるのですが、その中に、日本人女性がいます。
高良結香さんという方で、『マンマ・ミーア!』や『フラワー・ドラム・ソング』などにも出演されたことがある方です。
日本人が出ているというだけで、ブロードウェイに興味のない方でも、親近感をもって観られるんじゃないかと思います。

感想

冒頭の「The Music and the Mirror」の前奏が流れてきた時点で、涙が流れてきました。
ずっと楽しみに待っていたので、「やっと観られているんだ!」という喜びなのか、どうなのかは、わかりませんが、涙が止まらなくて困りましたwww

その後の90分は、あっという間に過ぎました。

個人的には、もうブロードウェイが大大大好きなので、
(ブロードウェイというtheater districtという空間が、ブロードウェイの雰囲気が、ブロードウェイの有り様が、大好きなので、)
ブロードウェイの街並みが少しでも観られたら、もう幸せ♡なんですけどねw

ひとつビックリしたのは、初演でコニ―・ウォンを演じていたバイヨーク・リーが、再演版では演出・振付担当なんですが…
ルックス(体型とか)はかなり変わっているのですが、声だけは初演版のCDと怖いくらいに同じだったということ!
人の声って、年齢を重ねてもあまり変化しないんですね!!
あ、全然作品と関係ないですね(^^;

総じて言うと、すごく楽しめて、すごく感動しました。
ある程度ネタばれを許してもらえれば、ベテランが無名の新人に敗れたり、親友と同じ席を競ったり、あともう少しで自分の物になる役を代役に最後の最後に奪われたり。
そういう最も高いクラスでのサバイバルが、繰り広げられます。
厳しいですよね。
でも、お互いにお互いの実力を認め合って、ハグし合う場面も多くありました。
自分との戦いをやっているんだなぁと感じる場面でした。

映画ファンの方だと、画質が悪い、と思われる部分もあるかとは思いますが、それを上回る充実した内容なので、私は大大大満足でしたよ。

ちょうど今の時期(11月~12月ころ)って、ブロードウェイではオーディションが盛んに行われるシーズンなんだそうです。
この映像は一昨年のものですが、現在もブロードウェイで戦っている人たちに思いをはせて、ぜひぜひ多くの人に、この映画を観てもらいたいです。


EVERY LITTLE STEP - Trailer